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第60話 めんどくさい奴らと一樹と

「なんで八乙女翔太がここにいる? 金返せ」


 八乙女翔太。自称恋愛導き師にして詐欺師。五月親衛隊を纏めるリーダー。俺を殺そうと企むヤバいやつだ。


「こっちが聞きたい案件さ。ここは五月親衛隊の本部なんだよ?」


 八乙女は困惑顔でそう言った。


「五十嵐五月を我が物にしたいだけだったのにさ。攫われるのは想定外だよ」


「我が物にって、俺の彼女だぞ!?」


「だから君が邪魔だったのさ。穏健派が居なかったら始末出来ていたものを」


 すると、モブさんが八乙女を指差しながら煽り始めた。


「意味深げに度々登場していた割に、扱いが雑で哀れですね。私ことモブ•クリスティーナより出番少ないの笑っちゃいます」


「どうやら、五十嵐五月の問題より先に作者を始末しなくてはならないようだね」


 彼にとってその煽りがよっぽど効いたのか、八乙女は誰がみてもキレていた。


「会話ぐちゃぐちゃしてきたんで、一旦閑話休題挟むで候」



         ◇



「この事態は五月親衛隊の派閥内で争っている場合ではない。この状況は誰も望んでいないだろう。今だけは手を組もうじゃないか」


 八乙女が指揮しているのは癪に障るが、同意見である。


「五月を取り返す。そしてバカなアイツらに発勁百連発を喰らわしてやる!」


 こうして、五月親衛隊と利害一致。ひとまず五月が解放されるまで休戦協定となった。



         ◇



「戦力を掻き集めなきゃね。確か、五月ちゃんの知り合いに他国の王族が居たで候。応援を頼めるか聞いてみるわ」


「マイケルは議員の親戚だから、世論を動かす手伝いならまかしてほしい!」


「五月ちゃんが誘拐されたと聞いて、国ほっぽり出してきちゃった。パンプスカ共和国の大統領です」


「僕、ブロッコリー。時給3000円のバイトと聞いてきた」


 改めて思う。五月の人脈どうなってんの? ついに一国の国家元首まで助太刀に来たんだけど!?


「今から奴らを賊軍と見做す。五月様を取り戻すのだ!」


「「「おおおおおぉぉぉ!」」」


 当事者が一周回って冷静になっちゃった。やりすぎだろ。負ける気がしねえ。



         ◇



 その後も協力者を募り。


「便利部として六花のお兄さんの彼女さん救出、手伝わせてもらうわ」


「スットコデース。あなたの役に立ちまース!」


「ピーマンだ。祭りと聞いて馳せ参じたぞ!」


 総勢五万人が現地に集結する事態になった。五月の影響力凄すぎる。


 ただし中には協力してくれない人もいて。筆頭はこの手紙勢。


◇我はいつも強い者の味方だ。だからNTR陣営に入るby邪神坂神楽。


◇協力したら五月先輩を私のものに出来ると言われたので、すみません!byマルル


 何か後ろめたさでもあるのか、手紙で敵陣営だと伝えてきた二人。他にも敵陣営にいるのが居るだろう。


 だが、俺たちは負けない。五月を取り返すんだ!



◇次回、最終話


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