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第47話◇幼馴染みの複雑な感情◇

 小雪こゆきとのデートで完全に繋がった俺は、最後の攻略に臨むべく、優奈ゆうなとのデートにでかける。


 結局小雪こゆき達と一晩中イチャイチャし、彼女は行為のたびに体が丈夫になっていく体質になったようだ。


 次の日、いつものようにちるるの配信をやったそうだ。


 いつもよりも反応が良かったらしい。


 しかし、いつも来る筈の楽太郎というユーザーが来なかったことが気がかりだったらしい。


 それは主人公だ。お互いの存在に気が付くのはゲーム後半のイベントが起こってからだが、恐らくもう意味のないフラグだろう。


 配信に現われなかったのは、ホテルでしっぽりやっていたからだろうな。


 恵美からの報告では、ホテルにしけ込んで一晩中絞り尽くしたそうな。


 いわく、「まあ普通だったけど回数はこなせるから及第点」らしい。果たしてそれは「こなした」のか、「させられた」のか……。赤い玉とか出てないといいけど。


 あと大きさはB判定、とか余計な情報まで付属させてきやがった(亮二がSSSらしい)。


 このまま向こうに夢中になってくれ主人公よ。俺達と関係ないところで幸せになってくれや。


 さて、あれから1週間経って、再びやってきた週末。

 いよいよ優奈ゆうなとのデート日を迎えた。


「お待たせしました先輩」

「お、可愛い格好じゃないか優奈ゆうな。よく似合ってるよ」


 パステルカラーのブラウスにプリーツの白いミニスカート。

 桜色の髪によく映える明るい色合いは、彼女が自分というものの特製をよく分かっている証拠だ。


 天然なのか計算なのか。ゲームの中の彼女は自分の魅力というものをよく分かっている。


 べつにそのことを鼻にかけたりする訳ではなく、能力が高いために理想が高いという言い方が正しい。


 つまり彼女がこれだけ気合いの入った格好をするということは、俺が男としてそれに値すると認めていることになる。


「ありがとうございます先輩、嬉しいです」

「今日は俺自身を気に入ってもらう為に沢山プレゼンさせてもらうからな」

「あはは。なんだか先輩らしくないみたい」

「はは、俺らしくか。確かにな。よし優奈ゆうな、一緒に来い。今日で完全に俺に惚れさせてやるからな。絶対に俺のものにしてやる」

「楽しみにしてますね♪」


 優奈ゆうなの感情が大きく上昇し、メスの顔が強くなった。


 感情が読み取れなくてもわかるほどに喜んでいる。

 やっぱり優奈ゆうなはチャラい男――いや、強引な男、もっと言うならワイルドな男に弱い説が有力だな。


 真面目な分だけ悪い男にハマりやすい。

 まさしくエロ同人にありがちな奴だ。


 実際俺は善良な人間などではなく、エロスキルによって純粋な人間関係から剥離させて我が物とするゲス野郎だ。


 ゲスはゲスらしく己の持つ全てを駆使して彼女達を幸せにしたいと思っている訳だ。


「さあ行こう優奈ゆうな


 俺は優奈ゆうなの肩を抱き、引っ張るように連れ立って歩き出す。


 一瞬の戸惑いを見せたものの、すぐに身を預けるように腰に手を回してきた。


 言っておくがまだ催淫のスキルは発動していない。 

 警戒心解除くらいだ。しかし既に俺を危ない男とは認識していないようで、使わなくても問題なさそうですらある。


 今日で優奈ゆうなを完全に俺のものにする。そして一晩かけて洗脳し尽くし、攻略ヒロインのハーレムを完成させるのだ。


「ぁ、先輩、ちょっとこっちに」


 さあいざ出発と行ったところで優奈ゆうなに手を引っ張られた。

 優奈ゆうなの家の門の中に引っ張り込まれ、顔を隠すように言われる。


「どうしたんだ?」

「しっ……。ちょっと顔を合わせたくない人がいて」

「それは一体……どれ」


 優奈ゆうなの指さす方向をこっそり覗いて見ると、隣の家から男が一人出てくる所だった。


「ああ、なるほどね」


 メインヒロインである優奈ゆうなの隣に住む人物。

 言わずもがな、主人公である。


『~~♪』

「なんだか機嫌が良さそうだぞ」

「なんでしょう……」


 奴は鼻歌なんぞ歌いながらスキップでも始めそうな勢いで歩き出していた。


 どうやら今日も清楚ビッチとデートにこぎ着けたようだ。(若干フラついているのは搾られた影響か?)


 奴には定期的に関係を報告するように頼んである。

 俺はアイツにあんまり関わりたくないので、報告はメールにしてもらっているが、今日辺り対面で経過を聞いた方がいいだろう。


「ありゃぁ、女とデートだな。見てみろ優奈ゆうな、あの浮かれよう。まるで今日出かける時の俺みたいだぞ」

「やだ、先輩ったら。でも、ラクトったら昨日の今日で彼女でもできたのかしら? なんだか複雑です」

「なんだ? もしかしてヤキモチか?」

「そ、そんなんじゃありません。幼馴染みだし、彼女ができるのは喜ばしいけど、変な女に引っ掛かってないか、ちょっと心配で」


「弟を心配する姉みたいだな」

「言い得て妙って奴ですね。でも、私が彼氏作るより早く彼女作るなんて、なんか生意気……」


 女心って奴は複雑に過ぎるな。主人公に男としての興味はなくても、先に彼女ができるのはモヤるってか?


「まだ彼女だと決まった訳じゃない。口説いてる最中かもしれないぞ」


 まあ実際遊ばれてるだけだし……。


「先輩……」

「まあ、とにかくデートを楽しもう。思い切り楽しませてやるからよ」


 主人公は優奈ゆうな攻略の当て馬のさせてもらうとするか。


 そうだ、そのうち俺と優奈ゆうなが付き合ってることを知らせてやろう。


 ショックを受けている所を大人の女に優しくされれば童貞主人公はイチコロだろう。いや、もう童貞じゃなくなったのか。


 ともかく奴には注意しておくか。



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