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第60話◇猫田ちゃんは見た◇【side桜結美】

【side桜結美さゆみ


 見てしまった。


 憧れの初音はつね先輩が、あの清楚でお淑やかで、嫋やか健全だと思っていた桃園初音はつね先輩が、下品な鼻息を荒く乱しながら股間に顔を埋めているのを。


 図書室の物陰に隠れて淫らな行為をしている初音はつね先輩は、彼氏だという霧島先輩の長くて太い男の人の……ア、ア、ア、アレを、とっても嬉しそうににおいを嗅いで、取り出して、お口の中に咥え込んでいた。


 しかもがに股に足を開いて……あんな格好、エッチな同人誌でしか見たことない。


 いや、そもそもエッチな事を生で見たのはアレが初めてだけども……。



 それで、嬉しそうに撫でさすって、そのまま……。


 ああああああああああっ! 思い出すだけで顔が火を噴きそうになっちゃうよっ!


 男の人って、あんなに荒々しいことしちゃうの?

 図書室で? 学園だよ? いくら付き合ってるからって、神聖な図書室であんなことするなんて信じられない。


 きっと初音はつね先輩は脅されて無理やり……いやでも、あんなに嬉しそうな顔してたし、ううううううっ、分からない……。




 私と初音はつね先輩は、中学の委員会で出会った。


 小さい頃から剣道を習っていた私は、男勝りで喧嘩っ早くて、お淑やかとは無縁のわんぱくだった。


 でも中学に上がって、男の子に交じって遊ぶような事ばかりしていてはダメだと思い、剣道部に入らずに委員会を頑張るようにした。


 もちろん小さい頃から通っていた道場には引き続き通い、体と心を鍛える事はやめなかった。


 だけど、学園の中で男勝りな所を同級生にバカにされた事がきっかけで女らしくなりたいと思った私は、委員会の先輩である桃園初音はつね先輩を見習うようになった。


 先輩はとっても落ち着いた雰囲気と清楚な振る舞いで皆から信用されてる素敵な人だった。


 本人は引っ込み思案で人見知りなだけだって言っていたけど、少しオドオドした態度も私には女らしさの象徴に思えたくらいだ。


 なんで私は先輩の二つも年下に生まれてしまったのだろうと悔やんでいる。


 卒業していく先輩を追いかけて、必ずセントヴィーナス学園に入学すると誓った。


 そんな憧れの先輩が、あの桃園初音はつね先輩が、淫らなこととは一生無縁だと思っていたあの桃園初音はつね先輩が、極太の〇〇〇を××××しながらエッチな事を夢中でやっていたなんて。


「ふぅ……ふぅ……しかも霧島先輩のあの顔、私が見ていたこと、分かってた風だったなぁ……」


 それからの私は2人の先輩を見かける度に変な気持ちになってしまうようになった。


 週末、猫カフェに一緒に出かける約束をしたけど、あの霧島先輩は要注意の人かもしれない。


 私のおっぱいをジッと見てたし、し、神聖な図書室であんな、あんなエッチな事堂々とやっちゃう人と、どうして先輩はお付合いをしてるんだろう?


 それに初音はつね先輩も、どうしてあんなに嬉しそうなんだろう。


 どう考えてもお付合いするタイプが違いすぎるっていうのに。


 先輩がお付合いするなら、あの幼馴染みだっていう好摩こうま先輩あたりだと思ってた。

 でも、私はあの人、あんまり好きじゃない。


 優しいのかもしれないけど、何度か話した感じだと、言葉の端々に人を見下しているような感じがする。


 それに、変にマウント取ろうとしてくるし、時々デリカシーないし、下ネタギャグを言うのが自分を面白い奴だと思ってる節があって……なんだかあんまり好きになれなかった。


 そういえば、最近一緒に居るところを見かけなくなったような……。


 代わりに一緒にいるのが、あの霧島先輩……。


 霧島先輩の良くない噂は時々耳にしていた。


 女の子をトイレに連れ込んでいかがわしい事をしていたとか、繁華街のホテルで女性の肩を抱いて歩いていたとか、色々な話を聞いてる。


 だけどいきなり髪色を黒に戻したり、最近は毎日学園に通ってるっていう。


 図書室に通っている違う先輩の話だと、授業も真面目に受けているらしい。


 卒業だけはしないといけないから慌てて真面目になろうとしてるんだって鼻で笑ってたけど、さっき話した感じだと全然嫌な感じのする人じゃなかった。


 ちょっとセクハラ染みた事もされたけど、そこまで嫌な感じはしなかったし、あああ、でも図書室でエッチなことしちゃう人だし。


「さゆちゃん」

「ひゃわぁあっ! は、初音はつね先輩ッ⁉」


「どうしたの? 顔が真っ赤だよ?」


 図書委員の仕事をいつものようにこなしていると、初音はつね先輩が声を掛けてくれた。


 そういえば、よく見ると先輩は変わった。


 男の人とも平気で話すようになったし、あのスゴク大きなおっぱいをジロジロ見てくる男子生徒も軽くあしらえるようになっている。


 昔は年下の男の子に話しかけられてもオドオドしていたし、私が先輩を守らなきゃって思ってたくらいなのに。


「熱でもあるのかな?」

「ひあんっ、せ、先輩っ、なんでもないですからっ」


 初音はつね先輩はおでことおでこをくっ付けて子供をあやすように目を閉じる。


 っていうか、近いッ! 良い匂いっ! 甘くて良い匂いがするっ! もっと近くで嗅ぎたいッ! 


 っていうか、この爆乳に顔を埋めてクンカクンカしたいっ! お姉ちゃんに甘えたいっ! っていうかっ、ペットみたいにお顔をペロペロしてみたいっ!


 そうしてっ、そうしてっ……はっ⁉ 私は一体なにを……?


 なんだろう……先輩の顔見てると、ドキドキして体が熱くなってくる。


 あれから2日。見る度にドキドキは強くなって、その日の晩はオナニーが止まらなくなっちゃう。


 小学生の頃から性に対する興味は強かった。

 お小遣いでピンクローターを買って使った時は、あまりの気持ち良さに頭がおかしくなるかとおもったくらいに。


 今度はバイブとか買ってみようかな……。なんて思ったけど、中に入れるのはちょっと怖い。


 だけど初音はつね先輩は霧島先輩のアレを思い切り中に咥え込んでた……。


「あ、あの、初音はつね先輩」

「ん、なぁに?」


 エッチってどんな感じですか……?

 そんな風に聞いてみたかった。


 霧島先輩のアレって、普通の大きさなのかな?

 他の男の人ってどうなんだろう?


 アレを中に突っ込まれるとどんな風に感じるんですか?


 聞きたい事が後から後から湧き出て、喉まで出かかって、詰まってしまう。


「どうしたの? やっぱり体調悪い?」

「い、いえっ。大丈夫ですっ」


 下腹部のもっと下の当たりがジュワジュワと熱を帯びてくる。


 思考が煩悩まみれになっちゃう……。


◇◇◇


「えいっ! えいっ! せいっ! 煩悩ッ! 退散ッ! 煩悩ッ! 退散ッ!」


 ムラムラして仕方ない。溢れ出てくるエッチな気持ちを振り払うように、私は懸命に竹刀を振るった。


 振り下ろす度に胸に付着した脂肪の塊がブルンと揺れ、邪魔に感じて煩わしい。


「はぁ、はぁ、はぁ……。ああ、もうっ!」


 2人の先輩の顔を思い出すだけで全身がムラムラしてくる。

 どれだけ竹刀を振っても、体を動かしただけではこの熱量は収まらなかった。


 その日、私は冷めやらぬ体を慰める為に四度もローターを使うことになった。


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