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第61話◇染まりきった初音◇

 図書室でのたっぷりご褒美を注ぎ込み、その後の現場に現われた猫田桜結美さゆみにその残り香を嗅がせてみた。


 しっぽりヤッたのがガッツリバレているようだ。いや、むしろ知らしめた。


 何かを感じとったのかほんのりと興奮した様子で顔を赤くしていた。


 そこで俺は彼女に対して、俺と初音はつねの顔を見る度にその興奮を思い出すように細工をしておいた。


 これで俺達を見る度にほのかな興奮を覚え、その感覚がなんなのか気になってくる筈だ。


 言い知れぬ興奮を感じた影響か彼女と上手いことパスを繋ぐ事ができた。


 これで大幅に攻略を進める事ができる。


「それじゃあさゆちゃん。土曜日に駅前で待ち合わせでね」

「わかりました先輩。楽しみにしてますね」


 約束を取り付け、土曜日に猫カフェデートすることになった俺達。


 初音はつねが積極的に桜結美さゆみ攻略に力を注いでくれるので思った以上に進展が早かった。


 これは帰った後にもしっかりとご褒美をくれてやらないとな。


◇◇◇


「はぁ、はひぃ♡ はひぃ♡ ご主人様ぁ♡ 最高の、ご褒美、ありがとうございましゅぅ♡」


 その夜、桜結美さゆみ吊り出しのご褒美にドップリとご褒美をくれてやった。


「今日はいつも以上にいい声でくじゃないか」

 ペしんっ

「はひぃ♡」

 ベッドで突っ伏した初音はつねの尻を叩いてやると、何をとは言わないが、『ゴポッ』と流れ出していく。


 初音はつねは俺が思っていた以上に桜結美さゆみにご執心だったらしく、彼女のハーレム入りを強く推してきたのである。


「さゆちゃんって、私と違って物事をハッキリ言える子で」

「昨日今日の関係じゃなさそうだな。昔からの知り合いなのか?」

「はい。中学からの後輩で。学年が二つ違うので付き合いは一年ちょっとなんですけど」


 どうやら中学からの昔なじみだったようだ。

 そういえば、設定資料集にちょこっとだけ書いてあったな。


 あんまり強調された設定じゃないから忘れてたぜ。


 だが桜結美さゆみの懐き方はゲームの中じゃ相当なもんだったから、そうした隠れ設定が活かされたんだろうな。


「私の見立てだと、きっとエッチが大好きになると思うんです」

「へえ、流石はドスケベ肉奴隷の初音はつねの後輩だな」

「ふふ、褒めてもらえて嬉しいです♡」


 これを褒め言葉と受け止める初音はつねも大分極まっているな。

 実に俺好みだ。


 そのうち桜結美さゆみと二人で調教してやるとするか。


「あ♡ ご主人様、桜結美さゆみちゃんとのエッチを想像して大っきくなってます♡」


 バレてる。

 もしかして初音はつね、俺と同じように心を読める能力獲得してるのか?


 そうしてヘロヘロだった筈の体はいつの間にか元気いっぱいになっており、再び俺のナニかをパクッと咥え込んでいた。


◇◇◇


 土曜日になり、約束通り桜結美さゆみを攻略するために猫カフェデートに出かける事になった。


 俺は初音はつねと共に駅前で彼女を待っていたのだが、今日の初音はつねは大分気合いの入ったファッションをしていた。


「今日はいい格好じゃないか」

「はい♪ さゆちゃんは私に憧れてくれるので、ちょっとお洒落してきちゃいました」


 今日の初音はつねは胸の前にリボンをあしらえたフリルのブラウスとフレアーのミニスカート。


 ツーサイドアップの髪型にして花柄のアクセサリーを身につけている。


 可愛いを極限まで凝縮した服装は思わず裏路地に連れ込んでしまいそうなほど魅力的だった。


「これは今夜が楽しみだな」

「ひゃん♡ ぁん、ダメですぅ♪」


 こっそりお尻を撫でてみる。なんとTバックだった。


 俺は堪らず耳打ちする。


「そんなに今すぐ××してほしかったのか?」

「お望みなら……♡」

「お楽しみは後だな。そんな服、前から持ってたの?」

「いいえ。亮二さんの女になってから買いました。ちょっとだけ、冒険なんです♡」


 ドキッとしてしまうような蠱惑的なスマイルが眩しい。

 ハーレムの中で初音はつねの変わりようが一番顕著かもしれないな。


 ゲームのエンディングでもこんな魅力的な笑顔を見ることはできない。

 これだけでも転生してきた甲斐があった。


「前から可愛い格好には興味あったんです。ミニスカートも履いてみたかったんですけど、男の人に声かけられる回数が増えちゃうから、怖くて……。でも亮二さんの隣を歩くときは、なんの心配もいりませんから」

「なるほど。お前本当に可愛いな初音はつね


「あの、ピアスとか、好きですか?」

「空けたいのか?」

「うーん、冒険してみたいって気持ちはありますけど、亮二さんが好きな私を崩したくはないです」

「そうか。俺はそんなに好きな方がではないが」

「でも、彩葉いろはちゃんは空けてましたよね」

「アレは彩葉いろはが好きで空けてるんだ。それは彩葉いろは自身のアイデンティティだから否定しない。俺は、そうだな。初音が冒険したいなら止めないぞ。空けても空けなくてもお前は良い女だ」

「嬉しいです」

「そうだな、一度空けるのもいいだろう。付けていなければそのうち塞がるし、今度買いに行こう」

「はい♪」


 なんてイチャイチャトークをしていると、駅の改札から見覚えのある女の子が走ってくるのが見える。


「せんぱーい♪ お待たせしましたー」

「お、来たな」


 サイドポニーに結わえた髪がぴょこぴょこ揺れる可愛らしい女の子。


 そのファッションはなんとリボン付フリルのブラウスとフレアーのミニスカート。


 色違いだが初音はつねと全く同じファッションという偶然……いや、シンパシーかな?


「お待たせしちゃってすみません。今日は誘っていただきありがとうございます。って先輩、その格好」

「すごいねさゆちゃん♪ 実はちょっと冒険してみたんだけど、まさか同じ格好なんて、私達、結構親和性高いね」

「嬉しいです先輩♪ 私、今日は先輩の為に飛びきり可愛い格好してきたんですよっ」


 忘れそうになるが、彼女のキャラ付けは堅物図書委員だ。


 初登場時の主人公に対する反応は超絶塩対応。

 キツくて固い口調で主人公を叱責し、初音はつねに近寄らないように罵倒しながら威嚇する。


 そしてエンディングに向かうにつれて徐々に信頼関係を構築し、彩葉いろはとは違うベクトルで初音はつねとの仲を取り持つために奔走してくれる。


 根が真面目で実直で素直。


 曲がったことは決して許さないゲーム内屈指の堅物だ。

 だけど今の彼女はどうだろう?


 フリフリの可愛い服を着て、懐いている先輩に子猫のように甘えた姿を晒している。


 これがエロ小説などの創作物だったら、キャラも知らないうちからキャラ崩壊を起こしている訳の分からないキャラとなって読者はポカーンとするところだな。


 俺は彼女をゲームで何十回と見てきたのでよく知っているが、ストーリー中に彼女のこんな笑顔を見ることはなかった。


 でも裏では初音はつねにこんな顔を見せていたんだろう。


 そう考えると彼女が攻略キャラじゃなかったことは良かったのかもしれない。


 主人公じゃなくて俺だけがこの顔を独占できる権利を有することになるんだからな。


 今は初音はつねに向けられている無邪気な笑顔を、淫らなメス顔に変えて俺に夢中にさせてやろう。


「それじゃあいきましょう」


 そうして目的の猫カフェに出発し、デートを楽しむことになった。


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