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第63話◇『君も椅子にならないか?』→……??(゜Д゜)ハァ??◇

 学園がケモミミファンタジーの世界に突っ込んでしまった。

 今回の妖精さんのラッキーちゃーんす☆は学園どころか人間の生物としての特徴すら変わってしまったのである。


 通学中の電車の中では普通だったのに、校門をくぐった瞬間に女の子達にケモミミが生えてしまったのだ。


 妖精さんの趣味が全開だとよく分かるのは女子生徒限定だということ。


 相変わらず突拍子もない事を平然とやってのけるが、大体が女の子攻略の鍵になっているから文句も言えない。まあ無いけど。


 贅沢をいうならもう少しサプライズ頻度を減らしてくれると助かるんだがな。


 そのうち学園から俺以外の男が消えるとかだと実にエロ同人らしくなると思うが、いや、それだとエロゲーか?


 それはともかく、今回のこれは桜結美さゆみ攻略の大チャンスに違いない。


優奈ゆうな

「なんですか先輩」

「ちょっと頭のケモミミ触っていいか?」

「いいですけど、敏感だから優しくお願いしますね」

「どれ……おお、フサフサしてて柔らかい。ほんのりと体温も伝わってくる」


「お兄ちゃん、お兄ちゃん、小雪こゆきもっ、小雪こゆきも触ってっ」


 校門から教室にいくまでの廊下でイチャイチャする俺達を羨ましそうに見てくる男子生徒達。


 美少女四天王全員を侍らせている俺という存在は、どうやら現在羨望の的になっているようだ。


舞佳まいかも触ってくださいよぉー」

「あ、あの、私も……」

「亮君わたしもー♪」


 次々に殺到してくる美少女達。彩葉はノリだな。


 全員のケモミミを一通りモフモフし終わり、教室に入って桜結美さゆみ攻略の手口を色々と考えてみた。


 さて、ケモミミ発生はいいが、それ以外は特にラッキーちゃーんす☆の兆候はない。


 しかし初音はつねの時の傾向からいって、このチャンスは自分で探して活かさなければならないだろう。


 順当にいくなら放課後の図書室に会いに行くことだが、果たしてそこまでくすぶっていていいものだろうか?


 かといって授業をサボるのも気が引ける。

 霧島は俺が転生するまで出席日数がほぼギリギリだったので、これ以上サボると卒業できなくなってしまう。


 この間のセックス三昧でサボってしまって本当にギリギリアウトラインに片足を突っ込んでしまっているので、サボってしまうのは無しだ。


 そうして我慢の時間が始まった。

 放課後までは目立った事件も起こることはなく、無事に終了。


 授業が終わると早速初音はつねを伴って図書室に赴くことになった。


◇◇◇


『君も椅子にならないか?』

「は?」


 それは桜結美さゆみ攻略の為に初音はつねを伴って図書室に赴き、扉を開けた瞬間のことだった。


 妖精さんから謎のワードを言われ、そこで意識が一瞬途切れたように感じた。


 そして気が付くと……






 俺は椅子になっていた。


 気が付いたら椅子になっていた。


 座っていた、とかではない。文字通り椅子そのものになっていたのである。


 何を言っているか分からんだろう? 俺も分からん。


 視界は図書室の入り口付近にあるカウンターの中。

 つまり図書委員が仕事をする為のスペースに設置された椅子になっているのである。


(おっふっ、まさか椅子になる日が来るとは。っていうか喋れん。声が出ないぞ)


 ゲーム内キャラに転生するだけでも不可思議体験なのに、まさか無機物になるとは思わなかったぜ。


 しかしこれでは身動きが取れないぞ。


「♪~♪~」


(おっ、初音はつね。俺だーっ、気が付いてくれぇー)


 俺と一緒にここに来たはずの初音はつねだが、俺が椅子になったことには気が付いていないようだ。


 それどころか俺と一緒に来たことも忘れているらしい。

 普通に図書委員の仕事を始めてしまい、俺の声も届かない。

 っていうか声が出ない。


 初音はつねは俺に気が付く事なく本棚の整理を始めてしまっている。


 桜結美さゆみはまだ来ていないようだ。


 動けるかどうかしばらく試してみたが、微動だにすることすらできなかった。


 動けないっていうのは中々に恐怖体験だ。体の自由が利かない老人っていうのはこういう不便さに日々悩まされていくものかもしれない。


 意識がハッキリしている分だけ夜中の金縛りより質が悪い。


「えーと、これはここで……っと」


 ジタバタしても仕方ないので初音はつねでも眺めながら対策を考えてみるとするか。


 しかし、改めて見ると初音はつねって本当に美少女だな。

 いつもは背丈の違いから見下ろす事が多いのだが、こうして椅子になって下から見上げみると、違う魅力が見えてくる。


 しかも今回は妖精さんパワーで犬耳と尻尾まで付いている。


 初音はつねのケモミミはピンと立ったフサフサの毛並みを持った耳と尻尾だった。


 初音はつねの持っている雰囲気に絶妙にマッチしているモフモフの太くて大きな毛並みは、さながら秋田犬のようにフワフワ感に満ちている。


 忠誠心が高い所も特徴として現われている感じだな。


 ピンク色の髪の毛と同じ色の毛並みがとてつもなくエロい。


初音はつね~、俺に座ってくれーっ)


 呼びかけてみるものの、声が出せないのでどうしようもない。


 だが初音はつねならワンチャン俺の祈りが届くのではないかという希望もあったりなかったり。


「さて、これで整理終わりっと」


 と、思っていたら、本棚整理の仕事を終えた初音はつねがこちらに向かってくる。


(おっ、願いが通じたか?)


「すみません、貸し出しお願いします」

「はーい」


 なんだ、図書委員の仕事か。


 もみゅんっ……!


(おおおおっ。感覚にダイレクトに伝わるお尻のムチムチ感がたまらんっ)


 生徒の一人に呼ばれてカウンターの中に入ってくる初音はつね

 俺の願いは通じたらしく、丁度良く椅子になった俺に腰掛けてくれた。



 フワッとした毛並みの尻尾がファサファサとこしょぐる感覚がなんともいえない。


「はい、貸し出しは1週間ですね。ここにお名前の記入をお願いします」


 慣れた様子で手続きを進めていく初音はつねのお尻を堪能しつつ、この動けない椅子の状態で何かできないか藻掻いてみた。


(くぅ、これでは生殺しではないか。せっかく椅子になったんだからいつもはできないプレイがしたい)


 ムクッ


「ひゃん♡」

(おっ?)


「どうしました?」

「い、いえ、なんでもないんです……」


 おっ、この感覚は……。


 初音はつねの股間に触りたい一心で念じると、椅子の中心部をコモッと盛り上げることに成功。


 感覚的には鼻先を隆起させた感じだ。

 においなんて嗅いじゃうぞっ。


(クンカクンカッ、スーハースーハーッ♪)


「ふにっ……んっ……ふっ」


 椅子が隆起してフガフガしているというのに、初音はつねはそれを嫌がるどころかお尻を擦り付けるような動きをしてくる。


「亮二さんったら。お尻のにおいなんて嗅いじゃって、恥ずかしいです」


 あれ? この椅子が俺だって分かってる感じか?


 妖精さんパワーなんだろうけど、こんな状況をすんなり受け入れてしまうのは極まり方が半端じゃないな。


「んっ、ふぅ、んんっ……もうすぐ、桜結美さゆみちゃんが来ますから……ぁ、この椅子に座らせます、ね♡」


 そして自分の役割もしっかり担っている。

 初音はつね本人の気質なのか、あるいは妖精さんに操られてのことか……。


「ふふ、お尻の感触はどうですか? こうして……んっ♡」


 なんとなく前者な気がする。そうして桜結美さゆみが来るまで初音はつねのお尻を堪能した。


「あ♡ よく知ってる感触が起っきしましたね」

初音はつねってば、こ、これは気持ち良いぞっ)


「こんなのは、どうですか? んっしょ、んっしょ♡」


 そのうち股間の隆起もするようになり、桜結美さゆみにエッチな悪戯をする準備は万端だ。


 スカートの位置を直し、パンティに擦りつけながら自発的チョメチョメを始める初音はつね


 ムクムクと起き上がった股間の膨らみに自らを擦り付ける初音といよいよ本格的に、と言ったところで図書室の扉が開き、桜結美さゆみが姿を現したのだった。


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