目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

第68話◇次なるターゲットはVTuber◇

 桜結美さゆみの攻略完了と共に、次なる攻略のターゲットに接触する為の準備に入った。


 二人目のサブヒロインは【小日向こひなた涼花すずか】という。


 彼女と接触するためには桜結美さゆみと知り合いになる必要があった。


 攻略は俺の目的であるが、隠しヒロイン桜木美砂に辿り着くだけなら知り合いになって仲良くなるだけでもよくはあった。


 まあこれは考えても意味はない。さくさくのヒロインは全員俺のものにするのがこの世界に生まれ変わった時に決めた目標だ。


 それに主人公との接触を断つ意味でも攻略は絶対に必要だった。


 まだ完全に安心はできないが、桜結美さゆみが主人公と接触してもイベントフラグが立つ可能性はおおよそ潰せた筈だ。


 彩葉いろは舞佳まいか初音はつね小雪こゆき優奈ゆうなの五人に関してはほぼ心配ない。


 全員俺のことを生涯のパートナーにしたいと感じるほど惚れ込んでいるし、先日の優奈ゆうなの事件もあった事から、主人公と関わろうとはしない筈だ。



 さて、小日向こひなた涼花すずかは、ある特殊な職業に就いている。


『はいはーいっ。子兎ファンのみんなー。こんルルカー。寂しがり屋のチビ兎。ハローレイド所属、子兎こうさぎルルカでーす♪』


 パソコン画面のウィンドウに映るうさ耳の美少女。


 同接人数のアベレージが数万人規模。投げ銭は毎回のように数万、数十万、時には数百万にも上る。


 そしてその正体こそ、俺が狙う次なる攻略のターゲット、小日向こひなた涼花すずかその人だ。


 そう、彼女の職業とはVTuberブイチューバー

 それも小雪こゆきと違い、大きな企業に属しているプロのVTuberである。


 彼女を攻略するためにはまず小雪こゆき涼花すずかとリアルで繋がる必要がある。


 その鍵となるのが桜結美さゆみだったという訳だ。


 リアルの知り合いが桜結美さゆみ

 ネット上の繋がりを持つことになるのが小雪こゆきというわけだ。


 まずは涼花すずか本人と親密な関係になる必要があり、そのための導線になる二人に動いてもらうことになるだろう。


 そのために必要な事と言えば、まずは……。


小雪こゆき

「ふにゅ? どうしたのお兄ちゃん」


 ベッドの上で小雪こゆきを可愛がる時間。彼女にとっては親不在で半ば孤独な日々の中で至高の時間となっているらしい。


 俺は今日も彼女を徹底的に抱き潰し、膣内を精液でパンパンに満たした後に撫で撫でしてあげた。


 仔犬のように気持ち良さそうな顔をする彼女に今後の計画に必要である事を伝えることにした。


子兎こうさぎルルカって知ってるか?」

「うん、知ってるよ。可愛いよね。小雪こゆきも配信いつも見てる。なんかちるるのことりすぺくと?してくれる人」


「ああ、そうだな」


 それはそうだろう。子兎こうさぎルルカは押しも押されもせぬ超人気者だが、その原点は雪峰ちるるを推したからなのだ。


 彼女のネームもちるるをリスペクトして「るる」の文字が入るように意識している。


「もしかしてお兄ちゃん、ルルカちゃん、欲しい?」

「察しが良くて助かるよ。まだ内緒だが、ルルカちゃんの中の人は中々の美少女でな。小雪こゆきとも仲良くなれると思うぞ」

「うん。小雪こゆきも、ルルカちゃん大好きだからコラボしたいと思ってる。リアルでお友達になれたら、嬉しい」

「今そのための準備を進めている所だ。時期が来たら小雪こゆきの力が必要になる」

「うん、小雪こゆき頑張る。なんでも言って」

「ありがとう小雪こゆき。お前は偉いな」


「えへへ♪ お兄ちゃんが嬉しいの、小雪こゆきも嬉しい♡」


 初雪のような真っ白い髪を撫で撫でしながら可愛がり、涼花すずかを手に入れる為の計画を話しておいた。


◇◇◇



 俺は早速動く事にした。隠しヒロイン攻略の鍵になるイベントの日まであと1ヶ月もない。


 その間に彼女と接触するための足がかりだけでも……。


 さっきも言ったがゲームのイベントを阻止するだけなら、攻略をする必要は無いと考えるのが普通だ。


 桜結美さゆみは思いがけず最後まで攻略できてしまったが、最低限知り合うだけでも……と思う人もいるだろう。


 だがダメなのだ。そこにもう一つ、涼花すずかは絶対に攻略して俺の虜にしないといけない理由がある。


 三人目のサブヒロインと繋ぎを得る為には、小日向こひなた涼花すずかと親密な関係にならないと難しいからだ。


 何しろ三人目は、普通の人間が偶然に接触できる立場の女ではない。


 リアルに知り合いである小日向こひなた涼花すずかを俺の虜にし、喜んで『彼女三人目』を紹介したくなるように仕向けるのが一番だ。


 そのための第一手。桜結美さゆみ涼花すずかを紹介させ、その後で小雪こゆきに繋げばいい。


 ゲーム内において彼女達の役割は若干意味合いが違ったが、俺の場合は美砂と親密になり、かつ主人公のフラグを潰す意味でも攻略する必要があるのだ。


桜結美さゆみちゃん、今日は君に紹介したい子がいるんだ」

「紹介したい子、ですか?」

「ああ。白峰小雪こゆきって知ってるか」

「も、勿論知ってますよ。っていうか学園の一年生で知らない人いませんって」

「そうだな。俺の女だ」

「ホントに先輩って手が早いというか、手広いというか……。初音はつね先輩以外に何人いるんですか?」

「君で6人目だな。涼花すずかもちゃんと引き入れてやるから寂しくないぞ」

「うわぁ、ドン引きですよ」


 なんて言いながら興奮が隠しきれないご様子の桜結美さゆみ

 このまま後ろから、なんて思ったが、今日は彼女に小雪こゆきを引き合わせて親睦を深めてもらおうと思う。


 どっちにしろハーレムで仲良くやっていくためには、こういった地道な交流がものを言うだろうしな。


 ◇◇◇


「あ、お兄ちゃん」

「よう小雪こゆき。待たせて悪かったな」

「平気。今日はナニして遊ぶ?」

「今日は小雪こゆきの家に行って良いか? この子を紹介したい」

「し、白峰さん、こんにちは」

「ぁ、猫ちゃん」

「なんだ、知り合いか?」

「図書館で何度か話した事、ある」

「そうか。今日から俺の女になった桜結美さゆみちゃんだ」


「ま、まだ霧島先輩のものにはなってないですからねっ。私は初音はつね先輩のっ」

「分かってるって」


「お兄ちゃん、理解した。今日は猫ちゃんをトロトロになるまでエッチする」

「理解が早くて助かるよ小雪こゆき

「ひええ、わたし、囲い込まれようとしてません?」

「別にいきなり完全仲良しこよしにならなくてもいいさ。初音はつねは皆の幼馴染みだからな。そのうち関わる事になる」


「な、なるほど……」

「手始めに年の近い小雪こゆきと引き合わせたってわけだ。俺は自分の女達に仲良くして欲しいからな」


 ゲーム内ではヒロイン同士が喧嘩をするシーンってのはほとんどない。


 互いが互いを思いやり、本当に良い関係を築いているから、俺のハーレムでも非常に上手くいっている。


 他の五人と違って初音はつね以外と交流のない桜結美さゆみは、手始めに年の近い小雪こゆきと交流を図るのが良いだろう。


 もともと涼花すずか攻略の為に必要な手駒同士が連携を図る意味でも仲良くしておいて損はない。


 さーて、妖精さんの力を借りつつ、小雪こゆき桜結美さゆみにエッチな仲良ししちゃうぜ。


 小雪こゆきの家に行く前に、ちょっとした親睦会の場を設けよう。


「それじゃあ今日は親睦を深める意味でスイーツでも食べにいくか」

「スイーツッ♪ 小雪こゆき、イチゴパフェ食べたい」

「いいぞ小雪こゆき桜結美さゆみちゃんは甘いものは好きか?」

「は、はいっ。大好きです」

「よし、それなら駅前のカフェに食べにいこう。夕方から学園生で混み始めるから早めに行くとしようか」


「き、霧島先輩って見た目チャラ男なのになんでそんなにエスコートが上手いんですか」

「さあ? チャラ男でスケコマシだからじゃね?」


「うわ、自分で言っちゃいましたよこの人」


 なんだか桜結美さゆみのキャラクターがドンドン崩れているな。

 良い傾向だ。なんだか舞佳まいかみたいなノリで会話のラリーをしてくれるから心地良かった。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?