壁から突き出る、尻ッ、尻ッ、尻ッ!
エロ同人ではよくある光景だが、現実に見てみるとちょっとシュールだな。
とんでもなくインモラルな空間であるが、俺はこの中からサブヒロインである春風桃華を引き当てなければならない。
「まずは、このお尻からいってみよう」
『――ッ♡』
くぐもった可愛らしい声が聞こえてくる。
喘ぎ声と普段の声って案外ギャップがあることが多いが、大きさから言ってこの子は桃華ではない。
でもせっかくだからしっかりと感触を楽しんでみよう。
高級生地のメイドスカートの触り心地はサラサラしてて手に滑る感触がたまらない。
女の子の体温が布越しに伝わり、その丸みをたっぷりと堪能した。
「どれどれ」
『――ッ、――ッ♡』
「においはどんなもんかな」
スカートに包まれたお尻は小ぶりで肉が少ない。
女の子らしい柔らかさは含んでいるものの、桃華はもう少し大きくて丸い形をしていた気がする。
そう、桃華はスレンダーで背が高く、胸もさほど大きく描かれていない。
だが、尻が大きい。
尻が大きいのである。
立ち絵で表現されている彼女の腰から下は、上半身から下半身にかけてのラインが非常にバランス良く曲線を描いている。
だが、その途上にあるくびれの部分からのびる腰、そして尻にかけて急激に傾斜角度が激しくなっていくのだ。
つまり、美尻キャラとしてデザインされたのが桃華なのだ。
桃ってもしかして桃尻の桃なんじゃ、なんて憶測がネットでまことしやかに囁かれていたが、それが真実味を帯びてくる。
「……ふーむ、君はどうやら違うみたいだな」
この尻は桃華じゃない。
それにしてもこのゲームは非常に理不尽だ。だってヒントが少なすぎる。
しかも琴葉は誰を当てろとも言っていない。ただ躊躇している人を当てろといっているのみだ。
そんな後だしで不正解にできてしまう理不尽ゲームだが、俺はあえて誰を当てればいいのかは聞かなかった。
完膚なきまでに認めさせてやろうじゃないか。
そんなことを考えながら二人目の尻に鼻を近づけた。
「スンスン。ふむ、ほんのりと――――の、においが」
『ッ⁉』
「――――で、ちゃんと拭かないタイプだな」
『///』
「それとも、もともと体臭の強い体質なのかな?」
「――ッ///」
恥ずかしそうにお尻をプルプルと震わせる女の子。
「次は~、君だ」
「――♡ッ」
声を出さないように命じられているのだろう。
まくり上げ、感触を楽しみながら、その奥にある花園に思いを馳せる。
そして布地をゆっくりとずらしていき、穢れなき楽園を覗き見る。
「おお、綺麗な肌色だ。きっちり手入れしているようだな。しっかりした性格なのか。それともそういう風に教育されてきたのかな」
「――っ♡」
どうやらヒロインですらないモブの女の子にも妖精さんスキルは効果を発揮してくれるようになったらしい。
と言っても、ヒロイン・サブヒロイン以外に試したことはないから、今までどうだったのかは知らん。
もしかしたら俺が欲情した女の子には効果があるのかもしれんが、俺はゲーム登場キャラ以外には興味がないので、これからも知る必要はないだろう。
「――――――――――――――――――ッッッッッ!!!!!」
「あっ……やべ、無意識にイカせちまった」
考え事をしながらドコかをイジっていると、可愛い声を出しながら絶頂してしまうメイドさん。
しかし彼女も桃華ではなさそうだ。
「君は今日車を運転してくれた子だな」
「はうぅ……どうして、お分かりにぃ……♡」
「さすが亮二様ですわ~♡」
そんな感じで次々とメイドちゃん達のお尻を目と鼻と口と指で堪能していく。
「よし、これで全員回ったな。残りはこのお尻ちゃんだけだ」
――ビクッ
そう、俺はこのお尻ちゃんをわざと最後まで残した。
なぜなら……。
「うーん、このお尻は春風桃華さんかなぁ」
――ビクンッ!
「初めて見たときから触ってみたかったんだ。この魅惑的な形のお尻を」
まずはスカートの上。
あ、そういえば本人はお尻が大きいのを気にしているというフレーズが設定資料集のラフ画スケッチの片隅に書いてあったな。
端っこの方に小さく書いてあるだけだから忘れていた。
「だが男にとってすればお尻が大きいのはいい事なんだ」
「はうっ⁉」
ぁやっべっ。思わず声に出しちまったい。
吐いた唾は飲めない。可愛い女の子の唾なら喜んで飲んでみせるが、自分の唾は勘弁だ。
いやそうじゃなくて。
「うーむ。このお尻は春風桃華ちゃんのものに違いない。芸術的な丸みと膨よかさ。それでいてしっかりと鍛え込んだ引き締まり方は素晴らしい」
「はうっ♡ はうぅう♡」
桃華には琴葉のボディガードという設定も含まれている。
クールな印象がある桃華であるが、臀部を褒められるのに弱いのだろうか。
(おふっ⁉ 桃華とパスが繋がったぞっ⁉)
ここに来てまさかのリンク! しかもモブである桃華と繋がれるとは思ってなかった。
最悪でも素のスペックでセフレくらいにはなっておきたいと思っていただけに、この変化は非常にありがたい。
「――――――――ッ!!」
パスが繋がったことで彼女の気持ちが顕著に伝わってくる。
(ほほう。桃華はじっくり攻められるのに弱いタイプか)
金髪メイドのクールヒロインが壁の向こうで羞恥と快感に耐えている所を想像するだけでムクムクと欲望がわき上がってくる。
「――――――――」
桃華の甘い声が段々と余裕のないものに変わっていく。
「さて、皆のお尻はたっぷりと堪能させてもらった。そろそろ答え合わせといこうか」
「いかがでしたか亮二様? どの子が"も"……躊躇している子かお分かりに?」
今また「も」って言ったな。隠す気ないだろ。
「そうだな。よーし、決めたぞ。本当に突っ込んでもいいんだな」
「はいですわ♡ 彼女とはそのように賭けをしておりますので」
「それなら遠慮することはないな。選ぶのはこの子だ」
俺はたった今触りまくっていた丸々としたお尻に指をめり込ませ、「今から犯すぞ」というメッセージを込めて強く掴む。
プルプルと震えている桃華の感情は不安と一緒に、それ以上の性的な好奇心への期待に溢れていた。
「亮二様、その子にいたしますか?」
「ああ。躊躇しているのは、春風桃華だな」
「――ッ♡」
壁から突き出している桃華のお尻をナデナデしながら彼女の名前を呼べば、スキルから伝わってくる喜びの感情はうなぎ登りに上昇していく。
「うふふ、正解ですわ。それと、そのお尻が桃華である根拠はありまして?」
「ん? こんな良い形のお尻は桃華以外いないだろう。見れば分かる」
実際には妖精さんスキルのおかげだが、この丸いお尻の形は絶対に間違えない自信がある。
「さすが亮二様ですわ。これなら桃華も納得するでしょう」
「ああ。それじゃあ、桃華も既に我慢の限界みたいだし、このまま処女を頂いてしまいますか」
そうして俺の洗脳種付けセックスはその日一晩中行なわれ、琴葉お嬢様直属の美少女メイド達全員を俺の手駒にすることに成功。
その効果はセックス空間が解除されても途切れることはなく、名実ともに飯倉家の支配権を将来的に手に入れる事になるのだった。