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第十章:星降る夜の鍵

市場での評判がさらに高まり、翔の名前は江戸中に知れ渡るようになっていた。一方、氷室の碑文に記された「天に星が流れる夜」の謎が、翔の心を捉えて離さない。未来へ戻る鍵がそこにあると信じ、翔は藩主に直接相談を持ちかけることを決意する。


藩主の召集

藩主の招待を受けた翔は、寿司や氷牙に加え、三次との協力で新たに開発した飾りかまぼこを披露する準備を進める。これらを通して藩主にさらなる支持を得るだけでなく、氷室についての手がかりを得る狙いがあった。


献上品と驚き

藩主の前で寿司、氷牙、飾りかまぼこが次々と披露される。鮮度を保った寿司の美しさと味わい、食べ過ぎると頭がキーンとする氷牙の妙味、さらに繊細な彫刻のように仕上げられた鯛や亀の飾りかまぼこ。これらは藩主と側近を驚嘆させ、「まるで未来の技術のようだ」と感嘆される。


氷室の秘密

その後、翔は藩主に碑文について相談する。藩主は翔を氷室に案内し、「この氷室は先祖が築いたが、碑文の意味は伝えられていない」と語る。しかし、藩主が家伝の古文書を持ち出し、「星降る夜に氷室の扉を通ると、運命が導く」という言い伝えがあると教える。


翔は「運命が導く」という言葉に動揺するが、藩主に未来から来たことをほのめかし、「故郷に戻る術を探している」と話す。藩主は「この氷室を使い、運命の夜を待つがよい」と理解を示し、翔の帰還を支援する決意を固める。


三次との絆

氷室からの帰り道、翔は三次とともに市場の未来について語り合う。三次は「お前がいなくなると寂しくなるが、この市場をもっと良くするために俺も努力する」と語り、翔と固い握手を交わす。



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