氷室への準備
翔は、藩主から聞いた「星降る夜」の言い伝えを胸に刻み、未来へ戻る準備を進める。しかし、市場での成功を祝う声や、三次や八兵衛たちとの絆が深まる中、心は揺れ動く。「この時代に残り、さらに市場を発展させる道もあるのではないか」と葛藤する翔。
その一方で、氷室の中を隈なく調べる翔は、ある不自然な装置のようなものを発見する。木製の歯車や複雑な彫りが施されたこの構造物に、何か重大な秘密が隠されていることを確信するが、それが何なのかまでは解けない。
三次との語らい
星夜の前夜、翔は三次と語り合う。三次は「お前がいなくなると思うと寂しいが、俺たちはお前が広げたこの市場を守り、発展させるよ」と笑顔で語る。その言葉に翔は少し安心するものの、未来へ戻ることの責任感が胸を締め付ける。
三次は、翔の苦悩を察したのか「戻るか残るかはお前の自由だ。だが、お前が戻ったら、この市場のことを未来で語ってくれ」と真剣な眼差しで話す。その言葉に翔は決意を新たにする。
星降る夜
ついに、言い伝えに記された星降る夜が訪れる。満天の星が輝く中、流星群が次々と夜空を横切る。藩主や三次、八兵衛たちが見守る中、翔は氷室の扉をくぐる。
扉の奥で、あの奇妙な装置が微かに光を放ち始める。流れ星を見上げながら、翔は心の中で強く願う。「元の時代に戻りたい。そして、この時代のことを未来に伝えたい」と。
すると、氷室全体が静かな震動とともに輝き、翔は眩い光に包まれる。そして気を失うようにその場で倒れた。