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第2話 剣椿姫と百合王子

「単刀直入に言おう...城二、お前を我が校の魔刑部に勧誘したい」


俺は昼休み中に職員室に呼び出され皆川先生に連れられ学校の修練場に来ていた


そこで紹介されたのは、東光高校魔刑部の部長である、九鬼 可憐と副部長である天草 小百合だった...


俺は当然の様に二人を知っている...そして二人は魔都東京1999におけるサブヒロインであり主人公の恋愛対象者である


「君が北野 城二君だね、初めまして私が魔刑部部長の九鬼 可憐だランクはAだ宜しくな」


「そしてボクが副部長の天草 小百合だよ、ランクはB宜しくね北野君」


〇九鬼 可憐 東光高校 3年 3年2組 九鬼一刀流という九州に端を発する示現流の流れを汲む古流抜刀術の跡取り、若干14歳にして免許皆伝を手にした天才剣士

長い黒髪をポニーテールに束ね赤いリボンで纏めている、流れる様な美しい瞳は黒い真珠の様に輝き整った眉毛に通った鼻筋、ほんのり紅の刺した唇...真白や天音と比較すると華奢と思える体つきだが155cmと小柄ながらも相手を威圧する鋭いオーラを放つ...東光の剣椿姫と呼ばれ全国に名を轟かす強者だ


しかし、その見た目の可憐さから告白する男子生徒が後を絶たずが他校の生徒からも頻繁に告白されてる様だ、しかし本人は自分より強い相手としか付き合わないと言い張り誰一人思いを遂げた者は居ない


本人も自覚して無いが、支配されたい願望がありドM体質で、尊に試合で負けて以降はぞんざいな扱いに悶えている様子がファンの間で人気を博し女性キャラ人気投票では真白に次いで3位である



今の時点で既に火之迦具土神ひのがぐつちと言う炎の神と契約しており、炎と剣技を融合させた技を得意とする、本人は既に退魔特殊魔刑部隊での活躍の実績も有り軍部からも期待される逸材である


そんな可憐はゲームにおいても水を操る真白と双璧を成す最強の一角だ



〇天草 小百合 東光高校 3年 3年2組 琉球極限空手の有段者である


小百合の祖先はかつて島原にて弾劾されたキリシタン達を率いた天草四郎時貞あまくさしろうときさだを始祖に持つ、既に他界しているが小百合の母親がイギリス人なので、小百合はイギリスと日本のハーフになる


幼少の頃より武神と言われた祖父の運営する道場にて、女の子ながら男の子に混じって空手の練習に明け暮れその実力を伸ばして行く...小百合は小学生になる頃に祖父は他界してしまったが祖父から受け継いだ不屈の精神と欧州人特有の長い手足を併せ持ちそのしなやかで力強い武技は鬼舞と言われる


小百合自身は茶色い髪の毛をショートに纏め化粧もあまり興味が無いのか素のままで居る事が多い、エメラルドの瞳が大きく愛らしいがボーイッシュなスタイルと僕っ子な話し方で男性人気も凄まじいがそれに輪を掛け女性からの人気が超絶大でバレンタインチョコの数では全校生徒の中で断トツの1位を記録し続けている百合王子の異名を持つ...が本人は恋愛小説好きで運命の王子様を信じてる根っから乙女でもある


ボーイッシュな姿と真逆に本人のスタイルは欧州モデル顔負けの破壊的なバストで、サラシで抑えんでようやく今のサイズに収まっている...本人曰く大きすぎると戦いにくいそうだ、実際、中学生の時の空手大会決勝で相手の放った苦しまぎれの回し蹴りが小百合の大きすぎる胸にカスって判定負けをしたとう逸話が設定上で残っている


隠れ巨乳の我儘ボディーとギャップ感のある僕っ子という事で界隈の男性を虜にし女性キャラ人気投票では天音に次ぐ第7位だ



今の時点で天手力男神あめのたじからおと契約しており、超常的な力で相手をねじ伏せる...

可憐同様に退魔特殊魔刑部隊での実績も有り軍部から期待されている人材だ




「初めまして北野 城二です」


俺は二人の設定を頭の中に思い出しながらも上級生に対し失礼の無い様に頭を下げる...


「先生...勧誘というのは?」


「そのままの意味だ、お前を我が魔刑部へ迎えたい」


俺は目の前の二人の先輩の方に視線を向ける...天草先輩は何やら申し訳無さそうに顔をしかめ九鬼先輩は冷たい眼で俺の事を見つめている...(この冷たい眼...貝塚さんを思い出すな)


「確かこの部は女子生徒しか居ないはず...そんな中に僕みたいな異分子が混じって皆さんの迷惑になるんじゃ...」


「その点は心配要らない、確かにこの部は女子しか居ないがそれは偶々男子生徒に入部者適合者が居なかっただけだ」


「適合者ですか...(俺は知ってる...この二人は主人公の入部を阻むため入部試験と称し試合を挑むんだった...)」


「つまり、入部する為に適正を確認するという事ですね」


俺の言葉に先輩達は少し驚いた様子を見せたが直ぐに元の表情へと戻る


「まぁ話が早くて助かる...それじゃ放課後もう一度ここに来てもらおうか、なぁに取って食ったりしないさ...(今はな)」


「...解かりました...」


俺は先生と先輩2人に頭を下げ教室へと戻った...


「ねぇ城二っち綾瀬っちの用事って何だったん?」


「そうだよぉトラちゃんも急に消えちゃうし...せっかくのクッキー半分残っちゃった...」


帰りのホームルーム後の放課後に天音と翠が俺の席へと尋ねて来て俺への用事を聞いて来たので説明していると...


「城二を勧誘って何かきな臭いな」


「まぁ北野君は色々と抱えてるみたいだしね」


翠の後ろから坊主頭の二人組が顔を覗かす...


「お前等なぁ~他人事だと思って適当なんだよ」


実はここ最近は藤堂や葛西とも和解しこうして普通に話しをする間柄になった...まぁ二人に空教室に呼び出され謝罪の後で思いっきり殴れって言われた時は引いたけど...(殴ってない暴力反対!)


それ以降徐々に打ち解け今じゃこうして軽口も言い合える仲になった、藤堂も葛西も未だに天音と翠への想いは捨てきれ無いで居る様だが、今後の自分を見せて一度振り向いて貰うんだと今は必死に努力している様だ...前向きで熱い青春を感じる


「えぇぇ―――それじぁ今日、ミッチーの料理食べれないじゃん!」※注:ミッチー=道代さん


「私もお肉もって行こうと思ってたのに…」


「悪いな二人とも、俺としても魔刑部なんかに入りたく無いし穏便に断りたいんだよ...あ、週末なら道代さん講義お休みだから晩御飯お願いしとけるけど?」


「オッケ―――それじゃクラブパリエのバームクーヘンは城二っちが用意するって事でけってー!」


「けってー!」


「はぁぁ?...あ、真白も其れで良いって...メロンのゼリー5個用意しとけって...」


「北野君...ドンマイ」


「ちっっ!モテる野郎はイイネェ――――」


「はぁ...まぁ行ってくる...真白にも伝えておいてくれ...」


俺は無責任に手を振る4人を無視して昼間に案内された修練場へと向かった...




そして今...




「それまで!!勝者 北野!!」




............何で、こうなった?






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