修練場なら、昼間でも人がいるよねーってことで、早速やってまいりました!
誰かいるかなー?
お、1、2、3人!
隅っこで筋トレ中のパーティーを発見!
「すみませーん! ちょっとお話良いですかー?」
呼びかけながら3人のもとに走り寄る。
「お手間は取らせないのでお聞きしたいことがー」
って、なーんだ。よく知った顔だわ!
ギルド加入試験の時にお手合わせしてもらった3人なのでした。
「≪マオ兄≫、≪カル兄≫、≪メグ姉≫! ちーっす!」
あれからちょっと交流があって、良くしてもらっているんだー。
3人ならとっても話を聞きやすいね!
助かったー♪
「どうしたんだい、≪アルミちゃん≫。ずいぶんひさしぶりな気がするね」
と、≪マオ兄≫こと≪マオルニン≫さん。
このパーティーのリーダーにして唯一の前衛職『
「何言ってるんですかー。昨日も食堂でお会いしましたよ。また酔っぱらって記憶なくしたんですか?」
「≪マオ≫はいっつも飲んだくれて困るよな。部屋まで送るこっちの身にもなってくれよ~」
後ろから肩を組んで絡みにきたのが≪カル兄≫こと≪カルネロン≫さん。
後衛の『
「何言ってるの! そんなこと言って≪カル≫だっていつも最後は一緒に酔いつぶれるじゃないの。最後あんたたちを部屋に引き摺って行っているのは誰だか忘れたの?」
腕組みをして仁王立ちしているのが、≪メグ姉≫こと≪メグリア≫さん。
3人の中で1番年上で2人の面倒を見ているような立ち位置。
JOBは『
「姉さん、すんません……」
「明日から気をつけます……」
「気をつけるのは今日からよ! まったく……」
≪メグ姉≫に睨まれたら謝るしかない2人なのでした。
小さい頃からずっと3人でつるんでいるんだって。幼馴染みパーティーってやつかな。そういうのって良いよね。
「ところで~、≪アルミちゃん≫はどうしてここに? 私たちに何か話があったんじゃないの?」
「あー、そうでした! ちょっとお聞きしたことがあって!」
流れるような幼馴染みコントに巻き込まれてすっかり主導権を奪われてしまっていたよ。
【≪アルミちゃん≫しっかりしてください。ちなみにおもしろ情報としてですが、最近、≪カルネロン≫さんが酔った勢いで≪メグリア≫さんに告白して振られたそうです】
ちょっと待って。今その情報いる⁉
おもしろそうなネタじゃん!
えー、めちゃくちゃにいじり倒したい!
えー待って待って。そうなの? ≪カル兄≫が≪メグ姉≫に? えー、どっちかっていうと≪マオ兄≫と良い感じなのかと思ってたー!
【≪メグリア≫さんの中には密かにそういった想いがあるようですね。まだ口には出されていないようですが】
やっぱりそうだよね!
いつも視線で追っているっていうかー!
あーん、どうしよう⁉ これじゃあ三角関係じゃん!
幼馴染みパーティー解散の危機⁉
【失恋したほうを≪アルミちゃん≫がいただくというのはどうでしょうか?】
≪サポちゃん≫……さすがにその発言は最低だよ?
ドン引きで視聴者数減っちゃうよ?
【『幼馴染みパーティー、血みどろの三角関係に発展⁉≪アルミちゃん≫、ワンチャンNTRを狙う⁉』のサブタイトルをつけてみたところ、視聴者数が2000人ほど増えました】
なんでそれで視聴者増えるのさ!
世も末か!
ウソばっかりじゃん!
それにさー、≪マオ兄≫の気持ちはどうなのよ?
なんかほら、≪カル兄≫と絡んでいる時が1番うれしそうにしているじゃない? もしかしてそっちの展開もあるんじゃないかと睨んでいるわけよ!
【もうダメだ……腐ってやがる……。同時接続数が500減りました】
えっ、ウソウソ! やめてー!
わたし、腐ってなんていないから!
Webマンガサイトに重課金なんてしてないから!
「お~い、≪アルミちゃん≫どうした~?」
≪メグ姉≫がわたしの顔の前で手を振っている。
「はっ!」
また≪サポちゃん≫の戦略にハマって3人を置いてけぼりにしていた!
違うんです!
全部≪サポちゃん≫が悪いんですよ!
急に超おもしろネタをぶっこんでくるんだもん!
【人のせいにするのは良くないですよ。情報の取捨選択は『
また良いようにごまかして……。
もう≪サポちゃん≫の話は聞かないからいいもん!