【キャラクター≪アルミちゃん≫戦闘状態に移行します。『Wish List』アンロック。カウント3・2・1――『JOB』選択ロールスタート】
≪サポちゃん≫の口調が、平板なシステムボイス口調へと切り替わる。
まずは対戦相手に最適なJOBが選択されるんだったよね。
今回は何のJOBになるんだろう。
アークデーモンは魔法耐性が高いから物理職? でも魔法攻撃がめっちゃ強いから、こっちも魔法耐性を積んでおかないとあっさり溶けちゃうと思うんだよね。
【選択――『
おお、やっぱり物理職。『
攻撃が通る可能性のほうが評価されたのかな?
【このJOB選択の結果は、防御面を≪クロッシーダイク≫さんにお任せして、≪アルミちゃん≫は攻撃特化ということではないかという推測をします】
なるほどねー。
パーティーを組んでいるわけじゃないけれど、周りにいる人の戦闘力も加味してJOB選択がなされるわけかー。なんかすごいね。あれ? じゃあ≪アサダ≫さんの役割は何?
【続いて『
「よしきたー! フォームチェンジだー!」
「フォームチェンジ? なんだか物々しいな……。いったい何が始まるんだ?」
≪アサダ≫さん、ちょっと近いですって! もっとあっちに行ってください!
「おい、なんだよ。押すなって。盾の下からはみ出るだろ!」
「だってじろじろ見てくるし!」
そんな目の前でフォームチェンジを見られたら恥ずかしいですって……。全年齢対象の変身だから裸にならないとはいっても、虹色に光る一瞬だけ、もしかしたら見えたらいけないものが見えちゃうかもしれないし?
【私のエフェクト処理を信じてください。私が≪アルミちゃん≫の裸を誰かに見せるわけないじゃないですか。いついかなる時も完璧にガードしますから安心してください】
まあそうだよね。
≪サポちゃん≫はその辺り完璧にやってくれていそう……だけど、ちょーっと言い方気になる……。守ってほしいのはフォームチェンジの時だけだよ?
【改めて『
≪サポちゃん≫の宣言によって、わたしの体が白い光に包まれていき、右手、左手、右足、左足、上半身、下半身の順に虹色に光って変身が進んでいく。
最後に武器と防具が現れたら――。
【フォームチェンジ完了しました。『
おーし!
ピッカピカの鎧に身を包んで、長槍装備の『
【そこは……顔が見えなくなると元も子もないので……そこは大人の事情です】
大人の事情。
そう言われると「わかりました」としか言えなくなるやつ……。
「おお~、フォームチェンジ派手でかっこいいじゃないか。変身もスキルなのか? 本当に『
≪アサダ≫さんが手を叩いて喜んでいる。
楽しんでもらえて良かったです? 次からはもうちょっと離れて見てくださいね……。
「おい! オレの盾の下でごちゃごちゃやらないでくれ! そろそろ全体範囲攻撃が来ちまうだろ!≪アサダ≫! さっさとそのルーキーを連れて退避してくれ!」
≪クロッシーダイク≫さんが叫ぶ。
若干呆れているのかもしれない? まあでもまだ余裕がありそうな雰囲気。全体範囲攻撃はこのメテオストームより強い攻撃ってことなのかな? メテオストームも十分に広範囲の範囲攻撃なんだけど。
「まあ待て。≪アルミちゃん≫が何かを見せてくれるらしいから、少し自由にやらせてみようじゃないか。その間くらいは耐えられるだろう?」
「……うむ。まあ、ルーキーの面倒を見るのも仕事の1つか。良いだろう。全体範囲攻撃が来るまでの間だけだからな」
≪クロッシーダイク≫さんのお許しが出た!
じゃあ、初陣と行きますかー!
【それではいつもの決めポーズと決めゼリフをお願いします】
「いつもの⁉ 模擬戦の時に1回やっただけだけど⁉」
これ、変身するたびに毎回やらされるやつ⁉
「えーと、えーと……鋼鉄の鎧に長槍担ぎ『
「よっ、≪アルミちゃん≫、待ってました!」
≪アサダ≫さんによる合いの手が入る。
「どもどもー! 高評価とチャンネル登録よろしくー♪」
えーと、こんな感じで良い?
≪アサダ≫さんも喜んでいるし、大丈夫だったかな?
【50点。ギリギリ及第点です。同時接続数が75000を突破しました】
ちぇっ、≪サポちゃん≫の評価ってば、いつも辛いのー。即興でやったわりにはけっこう良い感じだと思ったのになー。普段から登場シーンのことは考えておかないとダメってことかな。
【では戦闘を開始しましょう。長槍を構えてください】
よーし、いっちょかましてやりますかー!