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誰のための城か

コンクリートが、金に変わる

土地は静かに資産となり

街の灯りは、持つ者のためにだけ輝く


空き家は増え、家賃は上がる

そこに住む者はいないのに

なぜか「価値」は膨らみ続ける

住むことのできぬ部屋が、富を生む歪んだ世界


高層タワーに誰もいない

窓の向こうに暮らすはずの影は消え

部屋は貸し出されることもなく

ただ、「持つ者」の帳簿の数字として眠る


地価は動き続ける、だが人々は

街から追い出される

資本主義という見えぬ壁に阻まれ

「住む」という行為さえ、夢と化す



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