4回目の結婚延期の申し出。本当に彼には結婚する気があるのか……これは政略結婚だからと恋心を隠して、気付かれないようにふるまうヒロインが、婚約者には別に愛する人がいて、しかもその人を殺そうとしているということを知り、二重の衝撃に堪えながらも逃げずに真実を探ろうとする姿がとてもいいです。
そういったシリアスな中での友人エリカとのビスケットのやりとりも面白く、しかも面白いだけじゃなくてエリカの心配りが最後に分かるところなど、さすが有沢さんだと思いました。
シリアスな場面なのに「ちょっと待って、それ以上はやめて」のやりとりに思わずくすっと笑ってしまったり。
リージェンシーを書き慣れた、安定した筆致で読みやすくもあって、最後まで一気読みしちゃいました。ヒストリカルロマンス好きな方に、おすすめです。