伸二は、妙子の同じ大学に行ける事が決まって大喜びしていた。
「洋ちゃん、おめでとう。」
と檸檬が言ってくれた。
檸檬は、今や洋にとっては高嶺の華である。
「ありがとう。檸檬も受験頑張れよ。」
と俺は答えて言った。
樹里は本当に女優になってしまった。
百合と同じ芸能事務所から誘われたらしい。
俺は、ヘルシスに入団して野球を続けるつもりだ。
麻衣子は、マネージャーに戻って来た。
何か吹っ切れた様子で啓太と付き合い始めた。
それぞれの進路が決まった。
久しぶりに映画研究部で映画を観た。
やっぱり映画の世界観は良い。
甲子園が決まって色々な女の子と俺は遊んだ。
ボーリングデート。カラオケデート。でも、付き合いたいと思う女はいなかった。
良く最近、夢の中で律子が出て来る。
律子が、声を掛けてくれなかったら、俺は今もぼっちだったと思う。
改めて律子には感謝しか無い。
律子、百合と好きな女を亡くしてる。
俺は、そのたびに強くなってきた。
夢も出来た。
俺は、治を訪ねた。
治は、
「来年から学校行って野球やるわ!」
と言ってくれた。
「お前なら大丈夫だよ。」
と俺は言った。
「甲子園応援してるわ!絶対に優勝しろよ!」
と治は力強く言った。
俺は、支えられて生きている。
少しでも勇気を与えられる投手になる。