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第71話 拒絶の森を開墾

 私の元へ拒絶の森の守りの要である光地龍人アースドラゴニュートのガイア、光水龍人アクアドラゴニュートのアクア、光火龍人フレイムドラゴニュートのフレア、光風龍人ウインドドラゴニュートのエアロがやって来たの。拒絶の森を守護してくれてることへの感謝と、新たな眷属が増えたことを伝える。


「私が留守の間、いつも拒絶の森を守護してくれてありがとう!」

「「勿体ないお言葉ありがとうございます」」

「新たな眷属が加わったから紹介しておくね、樹魂のトライア・トレミー・トレシュ・トレッサだよ。この子達には光樹を中心に拒絶の森を開墾してもらうから仲良くしてあげてね」

「「かしこまりました」」


 私の留守の間に外敵の脅威がなかったのかを確認しておく、守護龍人が居れば問題ないと思うんだけどね。


「ところで、外敵はやって来たりするの?」

「周辺の国々が調査団を派遣してますが、全て返り討ちにしてますのでご安心を!」

「そっか、貴方達が居るから安心して外の世界で知見を広げることができるんだよ。だから本当に自分に感謝してるよ。必ず拒絶の森に戻ってくるから、それまではよろしくね!」

「「アリス様のお戻りをお待ちしてます」」


 ここには樹魂と守護龍人ドラゴニュートも居るし、拒絶の森の開墾に付いてみんなで話し合うことにしたら、色々な意見が出て有意義な時間を過ごせたの。


 その話合いの中で、開墾をするにあたって優先順位付けた。


 優先順位はこんな感じになったの。


①水源の確保。生活をするには命の源となる水が必要だから。


②農園。食料の確保ができなければ、生きることは不可能だから。


③住居。住む場所がなければ、人を集めることは不可能だから。


 他にも仕事や交易などの話も出てきたけど、それはこの3つほど重要ではないと判断した。


 先ずは水源なんだけど、これは拒絶の森の東側に大河があるので、水路を作って大河から水を引き入れることにした。


 大河から光樹へ向かって水路を引くので、邪魔になる木々を伐採して、全て無限収納へ収める。木は住居の素材にもなるので沢山あっても困らない。大河から光樹までの距離はざっと10kmほどで、上流から光樹まで水路を引いて下流へと戻す。ここまで決まれば後は簡単なもの。〘万物創成〙のスキルで水路を一気に作るだけ。


 私は地面に手を当てて、水路のイメージを頭に思い浮かべてから〘万物創成〙を発動させる。


「よし、水路創成!」


 幅100m深さ20mの水路が一瞬でできあがり、大河の豊かな水が水路へ流れ込む。そんな奇跡のような瞬間を目の当たりにしたゼシカは、当然のことのように私を褒める。


「奇跡の瞬間といったところですが、神にも等しい存在であるアリス様なら当然のこと!」

「ゼシカ殿の言う通りです。我等が知る前任の光妖精族ライトニングフェアリー様と比べても、そのお力は桁違いで神にも等しいと思います」


 ガイアが前任の光妖精族ライトニングフェアリーよりも力が上だと称えてくれた。七神女神様たちの加護を授かってからの力の上昇は、チート過ると自覚はあったの。


「自分でも今の力は桁違いだと思ってるんだけど、神に等しいってことはないよ?」


 私がゼシカとガイアに返事をすると、アナがそんなことを指摘したの。


「これで水源の確保はできましたね。ただ、水路より侵入者が来る恐れがありますね」

「アナの言う通りだね。簡単な結界を張ってさ、私の紋章が無い者が入ったら判るようにしちゃう?」


 私の紋章を通行証にすると言うと、リューネは嬉しそうな顔をしながら、胸にある主従刻印紋を見せた。


「この主従刻印紋のことでしょうか?」

「うん、従者は胸の刻印紋で、眷属は左目の刻印紋で結界を通れる通行証にするの」

「この刻印紋を自慢できるなんて感動です!」


 ゼシカは胸元の刻印紋を露わにしてとても喜んでいた。アナとリューネも胸元の刻印紋を目立つように服のボタンを調整していた。


 大河から水路が通ったので、水源の確保は完了した。その水路からの侵入の対策もできたので、次は食の確保を考えていかないと、農業と畜産業と色々とやることが盛り沢山だね。今日のところはここまでにして、私はユーザニア市の屋敷へ戻ることにしたの。



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