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第79話 10階層のボス部屋

 5階層のボス部屋を難なくクリアして6階層へ、この階層からは新たにオークが現れる。アナもここから本格的に参戦して、ゼシカがサポート役を務めることになる。


「ここから10階層まで一気に進んじゃうよ!」

「「かしこまりました」」


 今回のダンジョン攻略は3日間の予定なので、目標は20階層のボス部屋クリアかな? なので今日中に10階層のボス部屋まで到達したいんだよね。まぁ、ペースが遅いと思ったら、私もパーティーに参加してペースアップすれば余裕で着けるはず。


 なんて思ってたら、従者3人だけでも余裕でダンジョンを進んでいって、気づけば10階層にあるボス部屋の前までたどり着いていた。


(ゼシカ達は、私が思っている以上に強くなってたみたいだね)


 初日の目標地点に到着したけど、予想よりも早く到着したので、ボス部屋をクリアしたところで今日の攻略を終えることにした。


「お疲れ様! もう少し時間がかかるかと思ったんだけど、10階層のボス部屋の前まで来ちゃったからさ、ボス部屋をクリアしたら11階層に移動したところで明日に備えるね!」

「「かしこまりました」」


 私の言葉を聞いたゼシカは、ポケットから嘆きの地下迷宮の攻略メモを取り出して、内容を確認しながら口を開く。


「確かに、ボス部屋を抜けて11階層に降りると広場になっていて、そこはセーフティーエリアになってますね。そこならゆっくりと休むことができますから、アリス様の意見に賛成致します」

「おぉ! セーフティーエリアは良いね! じゃあ、ボスを倒して進んじゃうよ!」

「「かしこまりました」」


 私は、早速10階層のボス部屋に入る扉を開けて中へ進んでいった。すると狼男ウルフマン、オークウォリアー6体、ホブゴブリ】4体、ゴブリンウィザード6体が現れた。


 狼男ウルフマンがリーダーのようで、全体の指揮を取っているみたい。オークウォリアーが壁役となり、ホブゴブリンは槍を構えて突撃する準備をし、ゴブリンウィザードが先手を取るために、攻撃魔法を放とうと詠唱を始めていた。うん、かなり統率された集団で短期決戦を仕掛けるつもりなんだね。


 こちらも相手の思い通りに攻めさせるつもりないので、向こうが仕掛けてくる前に一気に殲滅することにした。


「私が狼男ウルフマンを殺って指揮官を潰すから、相手の動きが乱れ始めたら各個撃破して行くよ。ゼシカは後方から指示とサポートをしてね」

「かしこまりました」

「じゃ、行くよ〜〚光纏〛!」


 私が光纏を纏って神速の速さで狼男ウルフマンに接近して、鞘に手をかけて居合い切りを放つ。


『スパッ!』

『ボトッ……』


 一瞬で首が刎ね飛び、殺られたことに気付かないまま狼男ウルフマンはその場に倒れた。


 指揮官を速攻で倒したことで、他の魔物達の動きが乱れ始める。ここからはゼシカに指示を出させて、指揮官としての経験を積んでもらうことにする。私のサポートを受けてきた経験を、この戦闘で発揮してくれると期待したの。

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