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第84話 前人未到への挑戦

 ダンジョン内で遭遇したパーティーから声をかけられた。


「お、おい……、お嬢ちゃんたち4人でここまでやって来たのか?」

「うん、そうだよ」


 どう見ても4人しかいないのに、このオジサンはなにを言ってるわだろう? なんて思っていると、オジサンは自己紹介を始める。


「俺はコンラッドといって【進撃の英雄】っていうBランクパーティーのリーダーを務めている。俺達は6人編成で、このダンジョンを攻略をしてるところなんだ」


 コンラッドが自己紹介をしたので、私も同じように自己紹介をする。


「私はアリスだよ。【光の絆】というEランクパーティーでリーダーをしていて、4人編成で活動してるんですよ」


 私がパーティー名とランクを伝えると、コンラッドは大きく目を見開いたあとに、早い口調で話し続けた。


「ランクEだと? しかも女の子の4人編成でここまで来てるのか? あっ、あまり詮索するのはマナー違反だな……。お互い最深到達階層を目指して頑張ろうな!」

「はい、私達は明日までの滞在予定なので、なにか良い情報を得られたら、ギルドへ報告しておきますね」

「おう、頼むな!」


 そんな交流を終えたあとは、軽く会釈するとコンラッド達はダンジョンを進んで行った。


 私達も休憩を終えると、ダンジョンの20階層まで進んだ。もう少し苦戦するかと思ったんだけど、ゴーレムって名前はすごく強そうに思えたけど、ハッキリ言えば堅いだけで、動きらめっちゃ遅いただの雑魚魔物だった。


 ミネバの護衛で戦闘の経験をしたけど、あの時は水魔法を撃ち込めば簡単に倒せた。あの時のゴーレムと比べれば少し堅くて、ちょっとだけ強い程度だったの。


 そして、私達の目の前には20階層のボス部屋がある。このボス部屋をクリアすれば、私達が最深到達点を更新したことになるの。挑む前に休憩してからボス部屋に入ると、クリアしたあとにまた休憩することになるので、すぐにボス部屋へ挑んでクリアしてからゆっくり休憩しよう思った。


「先にボス部屋を終わらせちゃっていい?」

「「仰せのままに」」

「OK! 行くよ〜」


 そんな感じで、私達は前人未到の領域となる20階層にあるボス部屋へ足を踏み入れたの。


§コンラッド視点§

 俺達は【進撃の英雄】ランクBのパーティーだ。ランクSのパーティーは現在空席だから、実質ランクAのパーティーが最高ランクとなり、俺達が冒険者ギルドへ向かえばランクBのパーティーとして、好待遇の扱いを受ける程の戦力なんだが……、さっきスレ違ったパーティーはまだランクEで、しかも未成年にしか見えない女の子が4人だった。


 さらに驚いたことに、少女達は18階層まで2日で来たらしい? 俺達は1週間もかかっているのに……、とても信じられない内容だった。


 後日、俺達がダンジョンを出て冒険者ギルドへ向かった時に、あの女の子達のパーティー【光の絆】が前人未到の大偉業を達成したと聞かされることになるとは思ってもいなかった。



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