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第83話 冒険者パーティーとの遭遇

 ボス部屋で現れた宝箱の中身を回収してから、部屋を出て16階層にあるセーフティエリアに向かう。今回の昼食当番はゼシカで、てきばきと食事の用意してくれた。


「アリス様、お肉ゴロゴロのビーフシチューパイを作りました。お飲み物はどうしますか? あっお肉は飲み物だから必要ないですか?」


(お肉は飲み物って……、飲めないだろう!)


 そんなことを思いながらも、ゼシカに飲み物のリクエストを伝える。


「えっと、スッキリした物が良いから、アップルサイダーをお願いするね」

「かしこまりました。それと、先程の宝箱の中身は食事をしながら確認されますか?」

「ん〜、ゆっくりと料理を食べたいから食後に確認するね」

「かしこまりました」


 ゼシカの作った料理は、お肉ゴロゴロなんて甘い物ではなく、お肉だけで野菜は全くないビーフシチューパイで、もの凄い肉の量に圧倒されながらなんとか食べきることができた。


 お腹が肉で『パンパン』になってたけど、口直しの紅茶を飲みながら、宝箱の中身を確認することにした。


 宝箱な中身は【ミスリル塊】【金塊】【スライムの心】【水力発電システムの設計図】という4つのアイテムが入っていた。【スライムの心】と【水力発電システムの設計図】の2つがどんな物か判らないので、〘天眼〙で鑑定をしてみる。


【スライムの心】魔力を流すことでスライムが生まれる宝玉。スライムの能力は魔力を注いだ者の影響を受けることになる。


【水力発電システムの設計図】アカシックレコードに記されている水力発電システムの設計図で、豊かな生活基盤の礎になる。


 発電システムがアカシックレコードに記されているとは予想外だった。いつか拒絶の森で導入して、家電製品を創成するのが楽しみだね。

拒絶の森の開発が進むまでは、お蔵入りってことでいいかな。


 スライムの心は、今回のダンジョン攻略から戻った時に、魔力を注いでみようと思う。私の魔力の影響を受けたらどんなスライムが生まれるんだろう? これについては超がつくほど楽しみだね!


「さぁ、宝箱の中身の確認も終わったし、ダンジョン攻略を再開しようか!」

「「かしこまりました」」


 私がダンジョン攻略の再開を伝えると、ゼシカがここまでの攻略速度を踏まえて、今後のスケジュールを口にする。


「この調子なら、予定よりもかなり速く20階層までたどり着けるかも知れませんね」

「うん、思っていたよりも魔物が弱いよね。でも、この16階層からゴーレムも出るみたいだから、注意を怠らないようにしてね」

「「かしこまりました」」


 現在、嘆きの地下迷宮の最深攻略階層は、公式な情報では19階層らしい。そのことから20階層のボス部屋をクリアできた冒険者は居ない。そう考えるとめちゃくちゃ強いボスが君臨しているんだと思う。


 未到達ダンジョンなのに難易度がRankCだなんて、もっと上の難易度のダンジョンって無理ゲーじゃないのと思える。まぁ、そんなことを気にしても仕方ないよね。挑んでみれば判ることだし、今はダンジョンの攻略に全力で挑むことにする。


 その後も、順調にダンジョンを進めて行くと、18階層で他の冒険者パーティーとすれ違ったの。15階層以降で初めて他の冒険者パーティーとの遭遇だったので、すれ違う時に驚いた表情で話しかけられたの。


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