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第82話 15階層のボス部屋②

 私は戦闘開始と同時に〚光纏〛を纏い、神速の動きでゴブリンキングの胸に斬りかかるが、堅いフルプレートアーマーに阻まれ、一撃では斬り裂くことができなかった。それでもキングの体勢を崩すことはでき、火魔法を放って焼き尽くす。


「斬れないなら消し炭になっちゃえ〚爆炎フレイムボム〛!」

『ボッワァーッ』

「グウォオオオオーッ!」


 凄まじい爆音と共に激しい炎に包まれたゴブリンキングは、雄叫びを上げると消し炭となって消滅する。


(さぁ、ゼシカ達は頑張ってるかな?)


 ゼシカは〚風刃ウインドウカッター〛で右側のホブゴブリンの足下へ、先制攻撃を仕掛ける。足下への攻撃で動きを封じられると、ゼシカから指示受けていたリューネは、大剣を思い切り薙ぎ払って3体を討ち取る。1体のホブがリューネへ斬りかかろうとするが、ゼシカの矢が心臓を的確に射抜いた。


 アナは〚石弾ロックバレット〛で左側の人狼ウルフマンへ全体攻撃する。倒しきるのではなくダメージを与えて怯ませ、素早い動きで距離を詰めて、レイピアでの刺突で2体の心臓を一突きすると、攻撃範囲外へと距離をとった。残った人狼ウルフマンが体制を整え、アナとの距離を詰めて攻撃体制に入ろうとした瞬間、私は〚雷刀サンダーブレイド〛を放って、2体の首を刎ね飛ばしてから、ゼシカへ指示を出す。


「ゼシカはそのまま右側のゴブリンジェネラルを相手して、リューネはゼシカの指示に従うこと、私は左側のゴブリンジェネラルをアナと一緒に倒しちゃうね」

「かしこまりました。リューネ、私が矢でゴブリンジェネラルを抑えておくから、その間にホブゴブリン達へ火魔法を放って葬るのよ!」

「はい、姉様!」


§ゼシカ&リューネ§

 ゼシカは指示を出すと、即座にジェネラルへ向けて矢を連射して防御に徹しさせる。指示が届かず動きが鈍ったホブへ、リューネの火魔法が容赦なく襲う。


炎矢フレイムアロー〛!」


 リューネの放った炎の矢がホブ達の頭上へと降り注ぐと、盾を上へ向け必死に防御する。上に気を取られ隙だらけになったホブ達は、大剣を手にしたリューネの一撃が迫っていることに気づくことはなかった。


『ズバッシュ!』

「グガッ……」


 ホブ達は体が上下真っ二つされたあとに、両断された気づいて断末魔をあげながら消滅した。凄まじい一撃にジェネラルの注意がリューネに向く、ゼシカはその一瞬の隙を見逃さず、狙い定めた矢で両目を射抜く。


「リューネ!」

「OK!」


 ゼシカの声に応えるように、目が見えなくなったジェネラルの首を刎ねたのだった。


§アリス&アナ§

 私はアナの隣に移動して指示を出す。


「私の魔法で人狼ウルフマンの動きを完全に停止させるから、その隙をついて仕留めるんだよ。ジェネラルは私が殺っちゃうね」

「かしこまりました」


 私の指示に頷くのを確認すると、雷魔法で人狼ウルフマンの動きを止める。


「行くよ!〚エリアショック〛!」

「ギャアァアア!」


 私の雷魔法で動きを止めると、動けない人狼ウルフマンはアナのレイピアによって頭を一突きされ消滅していく、私の雷魔法はジェネラルにも届いたようで『ビリビリ』と震えていたので、ゆっくりと近づいて無抵抗のジェネラルの首を刎ねたところで戦闘終了。


 ボス部屋に現れた全ての魔物を倒し切ると、部屋の中央に大きな宝箱が現れた。


「はいお疲れ様! 楽しい戦いだったね」

「「お疲れ様です……」」


 私は楽しい戦闘時間バトルタイムだと思っていたけど、ゼシカ達は結構疲れていたみたい。早く休ませてあげたいので宝箱の中身を回収して外へ出ることにした。


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