マリアンヌとは、グリエル英傑学園の正門前で別れて、屋敷へと戻る馬車の中で今日の出来事について話をする。
「しかし、貴族社会の
人の優劣は生まれでなく、本人の努力による結果で決めるべきだと思い、ルミナスの森で貴族制度は不要だと伝えるとミネバが応える。
「それがよろしいですね。適材適所に良い人材を配置するのが良いと思います」
「うん、政治的な難しいことは、ミネバとフランシスコに全て任せるよ。私は楽しい毎日を過ごせればいいからね」
私は楽しい時間を過ごしたいだけなので、難しいことはミネバたちに丸投げする。本当に自分勝手だと思うけど、ミネバは両手を胸に当てると頭を下げながら返事をした。
「仰せのままに」
話が終わる頃に屋敷に到着する。出迎えたメイドたちに大浴場へ連れて行かれ、湯浴みをして着替えを済ませると、見計らったようなタイミングでペイトンが屋敷を訪れてきた。
私は三姉妹とともに商談の行われるサロンへ向かうと、既にミネバとフランシスコの2人が、ペイトンの相手をしてくれていた。
「ペイトンさん、忙しいなか時間を割いてくれてありがとう」
「いいえ、学園生活で忙しいにも関わらず、貴重な時間を頂き感謝します」
「アリス様が来られるまでの間に、私たちが大方の内容は伝えておきました」
「ありがとう。じゃあ、商談を始めようか」
「「かしこまりました」」
今回の商談内容は、ルミナスの森で生産される食料の販売についてだ。米、小麦、芋類などの栽培方法が確立したことで、大量の収穫が可能となった。そこで住民たちだけでは消費しきれない食料を、ペイトン商会を通して販売をしてもらうということ。
「かなりの規模の取引になりますね。流石にこれだけの大量の食料を、我がペイトン商会だけで取り扱うには規模が大き過ぎて、厳しいかと思われます」
ペイトンは取引の規模が大き過ぎるので、中規模商会のペイトン商会では厳しいと切りだしたが、ペイトンの表情から悔しさが滲み出ていて、商いを志すものとしては大きなチャンスだったからね。
「こちらとしては、信頼できるペイトン商会以外と取引するのは、好ましくないのですが、これは困りましたね」
ミネバは信頼できるペイトン商会以外とは、取引をしたくないという本音を伝える。
「王都で代理販売をすると、どうしても大商会に睨まれてしまいす。ペイトン商会のような中規模商会が睨まれると、利権を渡さないと潰されてしまいます」
「そんな所にも
「アリス様が商会を立ち上げるのですか? ノウハウを教えることは可能ですが、結局は利権が絡んでくると、大商会に睨まれて商売ができませんよ?」
私が商会を立ち上げると伝えると、ペイトンは最終的に利権が絡むと応えた。まぁ、そんな