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第55話 ルミナス商会 設立②

 適当にリオネルの名前でも出して、大丈夫だとアピールをしておく。


「そこは、グリエル英傑学園のクラスメイトにグリエル王国の第一王子がい居るからさ、なんとかなるかも知れないんだよね」


 私が『なんとかなる』と言うと、フランシスコは拒絶を使うことを察してくれたみたいで、すぐに話を合わせてくれた。


「おぉ、それは頼もしい存在ですな。商会を設立するのであれば、ルミナスの森の住民たちに仕事を提供することができますし、生産から販売までとなると、住民たちの暮らしがかなり豊かになるかと思います」

「確かに商会を設立するのは良いアイデアですね。商会の名前はルミナス商会なんてどうでしょうか?」


 フランシスコの言葉を聞いたゼシカは立ち上がり、ルミナス商会はどうかと提案をすると、ミネバとフランシスコは即座に賛成した。


「「おぉ、素晴らしい!」」


 身内で盛り上がっていると、ペイトンさんが神妙な面持ちで願いを申し出た。


「アリス様、もし本当に大商会からの嫌がらせを回避できるのなら、ペイトン商会をルミナス商会に編入して頂けませんか? 私はしがらみに縛られることなく、大好きな商売を思い切りしてみたいんです」

「編入したらさ、ペイトン商会の名が消えちゃうんだよ? それでいいの?」


 編入すればペイトンの名を存続させるのは厳しい。その覚悟があるのか確認すると、迷うことなく即答した。


「商会の名が消えるのは、確かに惜しい気もありますが、それ以上に幅広い商売を思い切りしてみたいんです」

「ふう〜ん、私は全然構わないよ。みんなはどう思う?」

「「仰せのままに!」」

「じゃあ、編入でいいよ」

「ありがとうございます」


 ルミナス商会を設立することと、ペイトン商会の編入が決まった。正直言ってペイトンを迎え入れることができたのは、本当にラッキーなことだね。商売についてはペイトンに丸投げしできるんだもんね。


「では、ルミナス商会を設立するにあたって、商会の代表はアリス様に就いて頂き、副代表は私フランシスコが務め、商会の運営はペイトンでよろしいですか?」


 フランシスコがルミナス商会の運営について意見をすると、私が代表じゃなくても良いと思ったけど、従者たちは絶対に譲らないのは判っているので、どうせ丸投げしするので認める。


「それで良いよ。ペイトン商会の従業員が、ルミナス商会で働くことを望むなら、従業員の全てを受け入れるってことで良いかな?」

「「かしこまりました」」


 とりあえず、ルミナス商会を設立することが決まったので、話し合いを終えて夕食を取ることにした。


「アリス様、ルミナス商会を設立するにあたって、ペイトン商会の従業員を引き受けたとしても、人手が不足すると思います。奴隷商で人材を探すのはどうでしょうか?」

「確かに必要かも知れないね。奴隷の購入はフランシスコに一任するね」

「かしこまりました」


 食事の会話の中で、ミネバが人手不足の解消のために奴隷の購入を勧めたので、フランシスコに人材の確保を任さた。


 私が造ったルミナスの森は、移住者も増えてきて街っぽくなってきた。そして、今回のルミナス商会の設立により、さらに街として発展しそうだね。これからは、街に暮らす住民の人材育成にも力を入れたい。そういう訳で、私達はグリエル英傑学園に通いながら、教育のノウハウも吸収する必要があると感じたのだった。


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