魔力操作の自習は、みんなにとって有意義なものだったようで、定期的に魔力操作の勉強会を開く方向になったの。リオネル以外は飲み込みも早そうなので、形状変化ができる日もそう遠くはないと思った。問題なのはリオネルで、彼は言葉の理解力を身に着ける必要があるみたい。良く言えば天才肌だけど、普通に言えばただの馬鹿だ。魔力操作は人並み以下、魔法は殆どの使えないのに、保有魔力量があの量ってことは、素質だけならクラスメイトの中でNo.1だと思う。本当に残念な人だと思った。
自習が終わって帰宅しようかと思ったら、マリアンヌから声をかけられた。
「アリス様、有意義な時間をありがとうございました。学園内に美味しいケーキがあるカフェがあるなで、お礼にご馳走させてもらえませんか?」
「ケーキ! 行きたい! 甘い物は大好きだから、マリアンヌの言葉に甘えるね」
「はい、ではカフェへ参りましょう」
私が嬉しそうに返事をして、マリアンヌと一緒にカフェへ向かおうとすると、アルフォンスとマルクセスが駆け寄って声をかけてきた。
「待って! 僕達もちょうど甘い物を食べたいと思ったんだ。カフェで同席しても良いかな?」
2人も魔力操作を頑張ったから、体が甘い物を欲しているのかな? 同じカフェへ行くのならなんの問題もないので、同席することを認めたの。
「うん、一緒に行こう。おかわりする時は2人が奢ってね!」
「「任せてくれ!」」
最低でも3つのケーキを食べられると思うとテンションが高くなる。カフェへ向かおうとするとアナが声をかけてきた。一瞬、なにか用事があったのかと思い『ドキッ』とする。
「アリス様、すぐに屋敷へ戻らないのなら、ミネバが迎えに来てると思いますので、少し待つようにと伝えてまいります」
「あっ、そうだね。お願いするね」
「かしこまりました」
ミネバへの連絡をアナに任せて、私はカフェで予定通りにケーキを3つ食べて、至福の時を過ごしたの。
§アナスタシア視点§
アリス様がマリアンヌたちとカフェへ行くと言われたので、この機会にバカ王子の取り巻きを粛清しに行こうと思った。ミネバが迎えに来てるはずなので、遅くなると伝えに行くと伝えて、この場を離れることにした。
「アリス様、すぐに屋敷へ戻らないのなら、ミネバが迎えに来てると思いますので、少し待つようにと伝えてまいります」
「あっ、そうだね。お願いするね」
アリス様に伝えたあとは、
「ふふっ、アリス様に『お前』などと言った奴は、相応の罰を与えてやるわ」
私が死角から怒りの『怒気』をそのままぶつけると、どこからともなく襲ってくる『怒気』に恐怖した取り巻きたちは、両手を合わせて神に祈った。
「「神よ我々をお守りください!」」
(バカめ、アリス様こそが神なのだ。アリス様を「お前」呼ばわりした者が、神にすがったところで守ってもらえるわけがない!)
そのあとも『怒気』をぶつけ続けると、取り巻きたちは失禁して気を失ったのだった。