私が拒絶を唱えると、ゼシカとマリアンヌの意識は回復した。2人は呪魂の首輪を嵌められると同時に意識を失ったので、現状を把握できずに『キョトン』として、知ってる限りのことを説明したの。2人は悔しそうに『何もできずに情けない』なんて言っていたけど、私ですら意識を保ちきれなかったのだから『仕方ない』と慰めた。
そして、今回の襲撃にあった3人が回復したことで、ユーザニア大聖堂からルミナスの森へ帰ることにした。帰る前に七神女神様たちへ、不甲斐ない姿を見せたこと謝罪をする。
「ルミナス神を名乗りながら、早速ヤラカシちゃってご迷惑をおかけしました」
七神女神像に謝罪の意を伝えると、私の周囲を金色の光が包み込み光の回廊が現れた。その様子を見て『懐かしい』と思いながら回廊を進んでいくと、あの時と同じように七神女神様たちが迎えてくれた。ただ、前回と違って七神女神様たちは片膝をついていたの。
『アリスさん、いいえルミナス神アリス様、貴女が来るのをお待ちしてました』
「はっ? えっ?」
『あははっ』
予想外の出迎えに思わず変な声が出てしまった。その声を聞いた七神女神様たちから笑い声が聞こえてくると、ローゼ様が頭を『ポリポリ』と掻きながら口を開いた。
『なぁ、これまで通りで良いんじゃないか? アリスが困った顔をしてるじゃないか』
『ふふっ、そうね。説明もなしにこの接し方だと戸惑うのは突然ね。でも、名を呼ぶ時は『様』を付けるのは忘れてはダメよ?』
「あの……、シエル様? できれば『様』なんて付けないでこれまで通りにお願いします」
『そういう訳にもいかないのよね。取り敢えず事情を説明するので聞いてくださいね』
「はい……」
そこからは、シエル様が丁寧に説明をしてくれた。前に
(えっと……、神って自分の意思で辞めれるの?)
女神を辞めると言っても簡単には理解が追いつかなかった。そんな私に気づいたシエル様は『フフッ』と笑みを浮かべながら口を開く。
『今この瞬間に女神を辞める訳じゃないの。アリス様のことだからジャミアを葬り去るのですよね?』
「はい、アイツは許せません! サツキさんたちにしたことを含めて、アイツの存在だけは認められません」
『ジャミアを葬った後は、その拒絶の力を使って私たちを女神から解放して欲しいの』
その言葉の後にシエル様が頭を下げると、続いて残りの女神様たちも頭を下げた。ジャミアにより一時的に創造された女神様たちは、神としてはそれぞれが力不足なのは理解できるし、悩み抜いた結果の答えなのなら尊重してあげたいと思った。
「判りました。ジャミアを倒した後は私が世界の神として君臨して、自分好みの世界にしちゃいますね!」
『『ありがとうございます』』
私はこの世界の唯一神となることを決意したの。