ハルキとミツキは、アレスレイによる爆風を浴びたのだろう。顔も服も
「ど、どうして、ここにだって!? それはこっちのセリフだ!! ——それより、レクト! さっき見えた、白い光はなんだ? あの空に浮かんでる奴は、何なんだっ!?」
ハルキがレクトを見据えて言う。ミツキは震えながら、ハルキの服を掴んでいる。
「や……奴ら……奴らは……」
「——奴らは何だっていうんだ、レクト?」
「……奴らは……ヴェルミラって星から来た宇宙人なんだ……」
「う、宇宙人!? どうして、そんな奴らとお前たちが一緒にいるんだ!? 分かるように説明しろ、レクト!」
「そ、それは……俺たちも……奴らと同じ、ヴェルミラって星の人間だからだ……」
それを聞いたミツキは、驚いて目を見開いた。
「じょ、冗談だよね、レクトくん……?」
レクトはミツキを見つめたまま、ゆっくりと首を左右に振る。
「――そっ、それで? 宇宙人のお前たちが、なんで地球にいる? 地球に来た目的は何だ!?」
ハルキにそう言われたレクトは、堪らず目を逸らした。そんなレクトを見て不憫に思ったのか、アレンが口を開く。
「それは、こいつらの上官でもある俺が説明しよう。俺たちの母星ヴェルミラは、二百年後に消滅してしまうんだ。ヴェルミラの公転軌道に、クオルと呼ばれる彗星の軌道がぶつかってしまうらしい。我が星の量術全てをぶつけても、彗星の軌道は変えられないという話なんだ」
「ハ……ハルキさん、量術っていうのは、こちらの星でいう魔法のようなものです」
リオがさりげなくアレンをフォローした。
「まほう……ああ、魔法か。サリアちゃんが鉄骨を消したり、レクトのマジックが凄かったのも、その量術ってやつを使ったんだな?」
レクトと私は黙って頷いた。
「そこで、我々ヴェルミラ人は新たな住処として地球を選んだ。この三人がここに来たのは、ヴェルミラ人が地球で住むことが出来るかどうか、その調査の為だったんだ」
「——それは、侵略を前提とした話なのか?」
「……ああ、そうだ」
「ほっ、本当なの!? レクトくん!? リオくん!? ――サリアちゃんっ!?」
ミツキは「信じられない……」と、目に涙を溢れさせた。
「――だけど、信じて欲しい。こいつらは、地球をヴェルミラから守ろうとしたんだ。俺が初めて地球に来たとき、『自分たちは地球で死んだことにしてくれ』と。『ヴェルミラ人は地球では生きられない』と伝えてくれって。本気で俺にそう言ってきたんだ」
「で、でも、そんな事をしたら、自分たちの星に帰れないんじゃないのか!?」
「ご、ごめんなさい……ハルキさんミツキさん、今まで黙っていて……お二人を、そして地球を救うには、そうするしか無かったんです。僕はお二人といる時間が本当に楽しかった。その反面、ずっと隠し事をしているという罪悪感で苦しかったんです……黙っていて、騙していて……本当に……本当にごめんなさい……」
リオはそう言って頭を下げた。リオの頬から、ポタポタと地面に涙が落ちていく。
「リオ、顔を上げてくれ……ミツキはどう思うか分からんが、俺はお前たちを信じるよ。――すまんな、自分たちを犠牲にしてまで、俺たちを守ってくれて」
「わ、私は、まだ分からない……ご、ごめん、サリアちゃん……」
私は静かに、首を横に振った。