誕生祝いも、何度目でしょう……。
回を重ねるたび、気が重いのですが……?
到来するらしいです、人生が百年の時代。
百、100、Ⅽ……
百グラム、百センチ、百ヘクタール、百デシベル、百シーベルト……
「百」の文字を書き並べて、崩壊しそうな気がします、ゲシュタルト。
百って、どうですか?
つらいですね、勤続百年、留年百年、入院百年、懲役百年……
生まれたことが、重罪だっておっしゃいますか?
納税だとか、納付だとか、そういう義務が服役ですって?
確かに、義務……服役の代わりのような気もします。
みんな、服役中はこの世界から出られないのですね。
悲観的世界は――牢獄?
百って、どうですか?
楽できそうですね、休暇百年、昇給百年、健康百年、潔白百年……
産んでもらえたことは、これ以上ない幸運なのですね?
与えられた寿命を見たことがないのに、伸び縮み、伸縮素材、フレキシブル……
都合良く伸びるだけにしてと思いつつ……
できるだけ長く生きたいのは、死なないことが生きることだと信じるしかないからですね。
楽観的生存は――惰性?
悲観してみると、人生の百年は量刑が終身刑?
あるいは、死刑の執行猶予期間と人生は同じ?
医療はほんの僅かな司法取引にあたるでしょうか。
楽観してみると、死ぬまでの人生だから、生きなくちゃなりません。
誰の祖先もみんな、首謀者だってことにしましょうか。
――有罪が前提になってますが……
とにかく、漏れなくみんな死んだからです。
そうすると、誰の子孫もみんな、共犯者だってことになります。
絶対みんな死ぬだろうから、遅かれ早かれ。
なんかホラーです……でも、みんなで生きれば、怖くない気もしませんか。
みんなが有罪なのは、みんなが無罪なのとどう違います?
単純ですが、必ずみんなが、何かのために生まれてきたって言えますし。
ただ、生きた心地がしなかったり、
死ぬ思いは、何度かするかもしれないですが――
その日その時、生き延びるのが精いっぱいで――
それでも、死ぬのはお一人さま一回限り。
誕生祝いは――何回……?
みんなの一回限りの人生で、誕生祝いを百回――
どうですか?
傍観的人生は、そんなに悪くはありません。