うーん、こわい。
私の目の前にはものすごい威圧感を発しているアルーとミワ、そしてファルさんが。まさかレヴァンティンを使ったことがこんな簡単にバレるだなんて……。
「バレないはずがないでしょうが……」
「世界を燃やし尽くせる神剣なんですよ……?」
なぁんか、アルーとミワから呆れられると猛抗議したくなるんだよなぁ。
「いいかげんに」
「してください」
あ、はい。すみません。
とりあえず正座してしまう私だった。地面に。
そんな私に満足したのかアルーが実の妹・アミーさんに視線を移した。
「……で? なんでアミーがこんなところに? というか、優菜と、二人きり、とか、どういう、こと、かしら?」
「ぴぃいいぃいいい」
涙目になってガクブルと震えるアミーさん。なんかさっきまでは(優しさを隠しきれないまでも)尊大な態度だったのに、今は蛇に睨まれた蛙のようになってしまっている。
「まぁまぁ、アミーさんは私を助けてくれようとしたんだよ? 自分を犠牲にしてまでも」
見ていられなくなって思わず助け船を出してしまう私だった。
まぁ、私は何とかできたとはいえ。あのとき、自分のことは後回しにして私を助けようとしてくれたのは事実だからね。このくらいはしてあげないと。
と、私としてはナイスサポートのつもりだったのだけど。
「まさか優菜が助け船を出すだなんて……」
「愛? 愛なんですか……?」
どよ~んとした暗い目をするアルーとミワだった。私ってそんなに人助けしないように思われてるの? 一応勇者なんですけど?
「ったく、お前らに任せてたら日が暮れるな」
やれやれとため息をつきながらファルさんが仕切り始めた。ちなみにもう外の世界だと日が暮れていると思う。
ファルさんはテキパキと事情聴取を行い、アース・ドラゴンの親が出たことやら何やらを手際よく聞き取っていた。頼りになるね。
「優菜よぉ」
なぜか呆れの目を向けてくるファルさん。
「アース・ドラゴンくらいならレヴァンティンの力を解放しなくても、そのまま叩っ切れば良かったじゃないか。なんでわざわざ勇者としての力を解放したんだ?」
「そりゃあ……アミーさんに義侠心を見せてもらいましたからね。ここは私も正体を見せるのが筋ってものでしょう」
「変なところで変なことをするんじゃねぇよ、ポンコツが」
なぜが罵られてしまった。なぜ?