「ノ~エ~~ル~~~!」
ぎゅむっ♡
「あ──────ッ!??」
俺はレイゼル。誰がどう見てもイケメン、男女関係なく誰もが振り向く程の色男な勇者だ! えっ、羨ましい? そうだろそうだろー! それで今俺が抱き締めているのが……。
「離れろド変態ッ!!」
「ん゙んッ♡」
マイワイフ、よーするに俺の妻(まだ結婚してない)で幼馴染のノエル。欲しいって言っても絶対にやらねーぞ、"俺の"ノエルだから! いつもこうやって照れてるけど、本当は俺の事が好きって事はちゃんと分かってるからな! だからいつも原作のレイゼル(?)に
この世界の人達って、やっぱりエロゲーの世界の住人だから、二つの意味でお
俺は元々現代人の童貞だったから、それを聞いた時はビビったけど……。
えっ、この世界の人ってそんなに性に開放的なんだな……って。そりゃ原作の主人公もあんな沢山の可愛い女の子とヤリまくるよな。
だから現代なら痴漢とかセクハラで捕まる所を、この世界なら異性へのアプローチになって、セッ〇スしてる最中でも「愛してる」とか「俺と結婚してくれ」とか普通に言うらしい。それってつまり、太くて長いチ〇コと高いセッ〇ススキルさえあれば誰でも結婚できる世界って事だ。
愛とかはその行為中に芽生えるからっていう、まさにエロゲーとか薄い本にありそうな思考で。
……でもそれって本当に愛か?
何があっても支えてくれて、それで逆に支えて。そういう行為が無くても傍に居るだけで幸せ、それが愛じゃねーの? まぁ、こういう世界の人間になったのと、そういうゲームをプレイしてたし、今なんかいつもセクハラしてる俺が何言ってんだって話だけど。
でもこの世界はちょっと……いやだいぶ変だから、初めて性教育としてその話を聞いた7歳の時に「あ、じゃあセクハラしないとノエルの好感度上がらないから結婚できないんだ」と思って、今では普通に願望込みでノエルに元気に毎日お触りをしている。毎日が本当に幸せ、やっぱエロは精神的な健康に良い。
でもなんか反応がイマイチだし、むしろ悪い気がするけど……うーん、何でだろうな?
……まぁでも元々俺はこんなイケメンじゃなかったし、原作のレイゼルみたいに毎晩セッ〇ス三昧できるほどの強くて丈夫な体じゃなかったけどさ。
~・~・~・~
『ゴホッゴホッ……』
俺は毎日辛くて吐きそうな病弱体質だった。家は裕福で世界規模で有名な会社だったから、急に倒れて緊急手術する事になっても高い手術代とか簡単にぽんぽん出せる。だけど、親は会社を継ぐ子供が欲しかったらしく、俺の事は一応作った子供として最低限の責任を背負う為に俺は生かされていた。
……でも、それだけだ。
勝手に作った挙句、その子供が使えないと分かるとまた次の子供を作って、また作って。要らない俺は一生檻みたいな病室で意味もなく、ただそこで生きていた。何度も自分の存在理由を自問自答したけど、理由なんて分かりきってて。
とにかく俺は寂しくて、なんとなく常に死にたい。でもやっぱり死ぬのが怖かった。誰でもいいから、せめて一人だけでもいいから「生きてて欲しい」とか、嘘でもその場のノリでもいいから言って欲しいって思ってた。
でも俺はひねくれていたから、主治医の先生とか看護師さんに「君は生きてていいんだ」とか「諦めないで」とか言われても「どうせそれって仕事だから言ってるんだろ?」って思ってたけど。
本当にどうしようもないよな、それに……本当に欲しかったのは、そういう言葉じゃなくて、ただ傍に居て欲しかった。
(その時はまだ、俺自身でも気づいてなかったけど)
まぁ自分も救われて、自分も人の命を救いたいからそうなった人が多いだろう職業No.1(俺が個人的にそう思ってる)の、夢を掴んだ凄い人達に対して、あまりにも失礼な考え方だったと今では思うけどな。
……そんな、ズルズルと生にしがみついて結局17になってもまだ生きてた。結構凄いことらしくて、主治医からは奇跡だって言われてたけど……。病気は完治する気配なんて一向に出てこなかった、ある日の事だった。
『んー?? あれ、おかしい……もしかして私、場所間違えた? ねぇ、Cの268号室が何処か知らない?』
『!?』
『あっ、ごめんね? 急に……実は私のおばあちゃんが入院しちゃったんだけど、病院来るの初めてで。それにここ、かなり広いみたいだし』
『っ……あ、いや……別に、そんな事は……ない、デスケド……』
今なら言える、前世の俺どもり過ぎだろ。
でもまぁ仕方ない、その時にタブレットの大きな液晶画面でエロ漫画見てたし、歳の近い女の子なんて病院には居なかったし。
(※未成年は成人向けのエロ漫画を読んだりしたら、その作者に迷惑がかかっちゃうから止めようね! ……読みたい気持ちはとても分かるけれども)
まぁ俺は心臓の病気だったから、驚きすぎて心臓痛くてガチで死ぬかと思ったけど……。すっげー痛かった、なるべく表には出さないようにした俺偉い。
『ちょっと教えてくれるだけでいいんだ、教えてくれない?』
『こ、こここここここはIの268号室だから、それなら全然逆方向……です』
『えぇっ!? 嘘ッ!?? そ、それってどっち!?』
第一印象は、とにかく喜怒哀楽がハッキリしてて分かりやすい子だなって感じだった。
『しっ、静かにしないと周りの人に怒られますよ……』
『あぁっ、そうだった……!』
そう言ってあの子は自分の口を手で覆うと、なるべく声を出さないようにし始める。あの子はそういう所が子供っぽくて……その、まぁ凄く可愛かった。それにどちらかというと顔は整っていた方だったし。たぶん仕草とかリアクションがもうちょっと、女の子らしくおとしやかだったら、学校ではモテていた分類だと思う。中身とか雰囲気とか、仕草のせいで友達止まりな子って感じだ。
『じゃあ、行ってくるね! ありがとう!』
『あっ……』
あの子はそう言って、突風のようにやって来て嵐のように去っていった。俺はその日、なんだかその子の事が忘れられなくて、気を紛らわせるようにエロ漫画を見ていた。そしてあの子と再会したのはそれから3日後。
『3日ぶりだね』
『へっ!? ……っ、何でまたここに』
『いや、3日前のお礼をしようかと……』
あの子は律儀にも俺に礼をしに来て、普通にいい子だった。だけど俺は……。
『じゃ、じゃあ……おっぱい揉ませてください』
『は??』
だ、だってさ! 俺、童貞のまま死ぬ事が確定してるし! セッ〇スとかしてる途中に死にそうじゃん!? 二つの意味で昇天しそうだし!! しかも腹上死とか……死んでも恥ずか死ぬぞ。だからせめておっぱいくらい揉んだ後に死にたかった!! それにその子のおっぱい、丁度いい大きさしてたし!!
『……』
『…………』
でもやっぱ軽蔑された。男は本能に忠実なんだ、あの時のあの子、ごめん。
『…………まぁでもいいよ、”別に”』
『はっ!??』
まぁおっぱい揉ませてくれたけど!! あの子優しすぎる、嬉しかったけどちょっとその子の将来が俺は心配になった。
『まぁそれくらいなら減る物じゃないし……はい、どうぞ。でも今回だけだよ』
『え、あ……し、失礼します』
その時ほど前世で緊張した事はない、断言出来る。
でも思ったよりおっぱいって硬かった。あ、服の上からとかじゃなくて、生で触れた。人の温もりと命の温かみって、こういうのかと思った。だけどさぁ? ちょっとサービスが過ぎない? 俺は凄く嬉しかったけど。
『あれ、硬……』
『うるさい!! 今は冬で、胸も結局脂肪だから冷えて硬いだけなの!!』
『待って、隣の部屋に聞こえる!!』
まぁそれからと言うものの、あの子はおばあちゃんのお見舞いに行く度に俺に会いに来た。曰く、暇つぶしらしい。その子は意外と普通に性に関する事でも言えるタイプの子で、よくエロゲーをプレイしてる時の感想をしてくれたけど……。
聞いてた俺の気持ちは察して。
でも……、凄くその子と一緒にいる時は楽しかった。それで童貞で歳の近い女の子とろくに話したことがなかった俺は、ころっと簡単に落ちた。
それでその子がやってるゲームの事が気になって、タブレットでやってみたけど……。
俺はあの子に似ている幼馴染のヒロインが一番好きになった。いわゆる、一目惚れってやつ? 体の肉付きは全然違うけど、どことなく顔とボイスの系統が似てて。性格は似ている訳じゃなかったけど、なんとなく同じだと思った。割合的にはほとんど似ていない筈なのにな。
はぁ、俺ってほんとバカ……。チョロすぎるだろ。
だからゲームの中で何度も俺の代わりに主人公でノエルを犯して、俺はあの子とのセッ〇スを密かに
ゲームを作った公式(変態)、1000通り以上のセッ〇スシーンを作ってくれて本当にありがとう。でもプレイしてる時にいつもチ〇コと心臓が痛くて右手が忙しかったから、中々ゲームをクリアするのに時間がかかったけど。それに体力全然なかったからいつも我慢しながらプレイして、限界になってから一度止めては慰めた。それから休憩してプレイを再開していた。そんな訳で俺はノエルのルートのハッピーエンドくらいしかゲームの内容を知らない。
えっ、ゴミみたいな生活してるって?
うるせぇー! 俺にはそれしかやる事がなかったんだ!! それにそのゲームしてたら同じゲームの話でもっとあの子と沢山話せると思ったし……。
『■■くんはどのヒロインが好き? 私はね……アリシア様とフローレちゃん。でも、1番好きなのはノエルかな~!』
『お、俺も! 俺も……ノエルが一番好き』
『じゃあ一緒だね』
『……うん』
三日に一度、たった数時間ぽっちの会話をするのが俺にとって一番の幸せだったから。できればずっと一緒に居たかった、
でもある日……あの子は、俺に会いに来なかった。
強い、胸騒ぎがした。
会えなくて結構寂しかったし、来るのが面倒になったり嫌われたのかと思ってショックを受けていた。でもその夜……たまたま病院にあったテレビの画面が目に映った。
『……何で、■■が先に逝っちゃうんだよッ!!』
《午後の5時頃、交通事故が起こり18歳の女性が亡くなりました。女性は信号無視の男子中学生徒を助けようとして道路に飛び出し──》
ニュースには名前は公開されてない、けど俺はすぐに分かった。この事故で死んだのは……あの子なんだって。
あの子の名前、今は何故か不思議と思い出せない。
……何でだろうな、思い出そうとしても頭の中で砂嵐が起きたみたいになって声が聞こえないし、頭に霧がかかったみたいになるんだ。
『あ、あのさ■■』
『ん?』
『もし、俺の病気が治ったら……俺と
セッ〇スしてくんない?』
『右と左、どっちがいい?』
『すいません』
『まぁ、本当にやったら私が捕まるからやらないけど……さっきのは冗談として受け取っとく』
俺が前世で最後にあの子と会った時に初めてした後悔。でも、言わなくてよかったと強く思った事。
もう先短いのに、好きとか付き合ってくれとか誰が言えるか。
でもまさか俺より先に■■が死ぬなんてさ、本当に人生って何が起こるか分かんないな。だけど今の俺なら……もしもあの子があの日に生きていたら、きっと告白していたと思う。
俺が死んだ時にずーーーーっとあの子は病院という場所を目にしたり耳にすれば、例え俺の事を忘れていてもすぐに思い出せる。他の男に告白する時も、された時も……俺の事を思い出して、俺の事を考えてくれると思うから。
~・~・~・~
レイゼルに転生してから7歳になった頃、俺を一人で育ててくれたばあちゃんから性教育を受けた。
(原作でもそうだったけど、
この世界では日本に比べて、かなり早い時期に性教育を教えられた。なんでも、間違った知識を受けて相手を傷付けないようにする為の予防らしい。
でもその時の俺は前世の記憶を取り戻していないのにも関わらず、「えっ、早っ」と思った。それで記憶と知識の食い違いによって前世の記憶が思い出されたけど……今でも俺がレイゼルになったのには時々驚く。
だって鏡見たらさ? 冴えないやせ細った、いかにも病弱そうな男じゃなくて、イケメンが映ってるんだぞ?
何だこのイケメン……あ、これ俺か!! ってなる。だってあんまり鏡見る習慣なかったし、自分の顔嫌いで見たくなかったしさ……。
そして何より、ノエルが更にあの子に性格がそっくりになっていた事……更にゲームよりリアルで会うとより可愛いことも!!
元々一目惚れだったけどさ! もうほんと可愛い!! 何だ、あれは天使か!?
いや、違う! 俺の幼馴染で嫁(まだ違う)だ!! 絶対に毎晩どころか朝も昼もずーーーーっとセッ〇スして、
『ばあちゃん、どうしたらノエルとケッコンできるとおもう!?』
『お前もそんな事を考える歳になったんだねぇ……いいかい、よくお聞き』
ばあちゃんは俺にそう言うと、耳元でヒソヒソと教えてくれた。
『女なんてもんはね……顔が良くて好みの男に囁かれながら触られたら、簡単に股を開いちまうもんなのさ』
『マジで!???』
『だからお前がノエルちゃんを本当に愛しているなら……。
絶対にノエルちゃん以外に手を出して生ハメ種付けセッ〇ス・屋外わんわん交尾プレイ・エロトラップダンジョン攻略・"3人居ないと出られない"部屋で子作りセッ〇ス・性奴隷調教プレイ・10P連続中出しプレイ・人妻NTR孕まセッ〇ス・催眠いちゃラブセッ〇スをしないで、ノエルちゃんだけをハメ倒して子供作って囲う事だよ』
『ばあちゃん!???』
『ちなみにこれらの浮気行為はお前の父親がやってた事でね』
『えっ!?????』
『それで実は手と種を出した中に魔王が居て、今の人間と魔物の戦争が起きてるのはお前の父親が原因だよ』
『あっ、あー……つまりクソ親父みたいにはなるなって事?』
『そうさね』
『絶対なんねぇ、確かに女の子は皆可愛いけどさ。というか……ノ、ノエル以外に俺は興味無い、し……♡』
『あのバカ息子にもレイゼルみたいな純粋さがあれば……』
えっ、この世界って俺が純粋
マジかぁ……というか、戦争してた理由は作中に魔物側が「我らが主君に愚かな人間が侮辱をした、主君の受けた辱めは我らがされた事と同義」って言ってたけど……そりゃ怒るだろ。
女王様だぞ? 国の顔だぞ?? 最も国で愛されるべき存在で、臣下たちや民を守る立場の存在だぞ???
俺は絶対にそうはならないとこの時誓った。
…………あ、前振りとかそういうのじゃないぞ。本当に俺は"ノエル"じゃないと駄目だし、もう抜けない体になってるからな!
もう俺はノエルに逆に調教されてるんだよ……されてないけど。
今日も愛のムチ(9999のダメージ)が俺の心臓を止めそうな程に愛おしい。
「ノエル~っ♡ 今日も可愛いな~♡♡
今日も鬼ごっこ(キスしながら腰が砕けて顔が蕩けないように鬼の舌から逃げる村伝統の頭がおかしい遊び)と
隠れんぼ(例えばロッカーなどのどこかの狭い空間に喘ぎ声が出ないよう自慰をしながら隠れ、鬼は隠れた人を見つけたら犯すという村伝統の狂った遊び)しよー!」
「誰がするか、近寄んな!!!」
とりあえず、前世の分まで沢山アピールしよ!