イエドは、自分がどこで何をしていたのか、思い出しました。
「そうだ。見たんだ。たしか、コドさんは、光の中を歩いて……行った」
それを聞いてボクは頭を抱えるのを
「イエドは、倒れていたけれど? おじいさんを、見送りできたの?」
「ああ。……コドさん、降りる前にこう言ったよ。『わしらは同士ぢゃ』って。遠くに居ても、仲間であり続けるんだ。
伝えるための言葉は、もはや要らない様子でした。イエドが思い起こせば、その
ボクは目を閉じて、イエドの回想に
「……なーんだ、おじいさん。そんなことを言ったの。うん、分かっていたさ。
……うん、それも分かっているよ。
……ああ、うん。本心は、そうしたかったかもしれない。
……コドおじいさん。それなら、もう少しの
……引き止めることなんかしなかったのになあ……」
言葉を繋ぐ
その本は
イエドはその勢いに気持ちが押されていました。ボクは本に屈み込み、まさに真剣な
ボクもいっぱいに風を受け、その大きな目の
イエドは、
ボクの何でも知っているような雰囲気は、知力といわれる
イエドの心象は本の捲れる速さに合わせ、急ぎ
それはイエドの記憶にないためか、
ボクは目を
「この明かりは——」
ボクは明かりに囲まれ、その身が少しずつ照らされていくと、懐かしむ表情になりました。
ボクの目からは、輝く涙が
「そうか、行き先が……この光だったんだ」ボクは
「コドおじいさんに初めて会ったとき、この光が見えたの――遠い空に」
ボクは窓に振り向きました。目を包む涙に光が映り、ボクにはコドの言葉が聞こえました。
涙拭け――。
そのとき、
「――涙を拭こう。それじゃよく見えないだろ」
イエドも涙を浮かべていました。袖を目に当て、流れる前に涙を
「コドさんは、今もしっかりと、この星空を見ているはずだ。同じ空を見上げる同士だからな。泣くのは
ボクは涙を拭きました。
二人は、星空を見つめました。
どこかに、コドの歩く姿を思って。