目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報
妄想英雄《イマジナリー・ヒーロー》
妄想英雄《イマジナリー・ヒーロー》
月亭脱兎
SF宇宙
2025年02月28日
公開日
2.7万字
連載中
——この星を救うため、黒翼を広げて降り立った謎の存在。 その名は——妄想英雄《イマジナリー・ヒーロー》。 突如、空を裂いて現れた“仮面の男”に、支配者《オーバーマインド》の将軍が声を荒げる。 「妄想が現実になるだと……!? そんなご都合主義、通用するはずがない!」 ——けれど、俺は静かに笑った。 「……俺の中二病歴を、ナメんなよ?」 これは、教室の隅で嘲笑されていた“中二病ぼっち”が、 妄想だけを武器に、神に等しい存在へ牙を剥く—— 世界の“設定”を塗り替える、最強の反逆譚。

プロローグ

「俺は妄想で、神に反逆する」


はあ?何言ってんだ?頭わいてんの?


……って思うよな普通は。




まあ気持ちはわかる。


だが俺の住む世界は、すでに異星の“神”に支配されているんだ。


思考すら管理され、祈る自由すら奪われたこの地球で、誰もが口を閉ざし、目を伏せ、ただ従うだけの日々を生きていた。


でも——俺は違った。


俺は、今日も教室の隅っこで、誰にも気づかれないように、

支配者を倒す術を思考し続けていた。


教室の端っこ。

誰も近づかないぼっち席。

窓際の陰に隠れて、俺は小声で呟いた。


「——封印されし力の、解放の時が近づいている」


「うわ……また神崎がブツブツ言ってる……」

「キモ……マジで何者のつもりなんだか」


教室がざわめく。

嘲笑。冷笑。憐れみ。興味すら持たれない無関心。


いいぞ。もっと笑え。もっと見下せ。

その方が——あとで“崩れるお前らの顔”が綺麗に映えるからな。


なあ、お前ら。信じられるか?


“中二病ぼっち”の俺が、

この支配されし世界で、


あの宇宙最強の支配者オーバーマインドに、喧嘩を売る日が来ることを——


それが……今日なんだよ。


——そして、未来。


焼け落ちた街の上空。

空を裂いて降り立つ、黒翼の仮面の英雄。



俺は、無数の異形兵たちを睨みつけながら、静かに言い放った。


「世界の理? お前らの“現実”?」


「悪いけど——俺の妄想力イマジナリーで、全部、塗り替えさせてもらうぜ」


これは、


かつて教室の隅っこで妄想し続けていた、ひとりの“変人”が——


世界の設定ごと、ひっくり返す物語。



この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?