自分の息子を見たくていてもたってもいられず‥‥‥‥翌日に早朝に運転手を呼び3人の住むマンションに行った。何も確認せずともスラスラ住所が言えた自分に恐怖さえ感じた。【一目みたい。】その一心で待った。2時間ぐらい待った時に‥‥‥‥えがいていた花音と類とのツーショットじゃなかったけど‥‥‥光希とピョンピョン跳ねながら歩く類がきた。一目で息子だと確信した。写真よりさらに俺の小さい頃にそっくりだ。俺はもう少し落ち着いて歩いてたと思うが‥‥‥ピョンピョン跳ねる息子を愛おしい。
ポタン‥‥‥‥‥‥。手の甲に雫が落ち‥‥‥自分の目から涙が流れている事に気づく。
類がこちらに指を指してくる。光希が慌てて指をおろして先を急いだ。
あ〜〜もう少しみたかったのに‥‥‥‥。
仕方ないかー。
「出して下さい。会社にお願いします。」
会社までの道のりの景色はずっと歪んでいた。
確か‥‥‥‥今日も光希の撮影あったな‥‥‥‥見に行きたい。
パラパラ手帳をめくる。
今日の予定を睨みつけ‥‥‥‥「何とか行けるな。」ひとりごちる。
会議の資料に目を通し課題点をまとめ決裁が必要な書類には署名をして秘書を呼ぶ。秘書といっても中学からの親友を秘書にしている。
理由は簡単。会社の人間を信じていないから‥‥。疑心暗鬼な会社も早く一新したい、この体制を交代させれるまであと少しのところまではきたんじゃないかと思う。
あと少しで掴める。
「おはよ。」秘書の白井 誠也がノックもせずに入ってくる。
「おはよ。」
さっき作成した資料と決裁した書類をパソコン画面に出す。
じーっと見たあとに
「何?」
「会議は中止。課題はあげた早急に策を出すように通達を。決裁もした。」
「あーあ。だから?」
「‥‥‥‥‥。」誠也の方をみる、ニヤニヤした誠也が俺の肩に手を置き‥‥‥
「でぇ??」
肩の手を払い睨み
「撮影に行く。」
「へえ〜!!副社長様が2日続けて?何のために?」
知ってて聞くコイツは性格が悪い。
「撮影の確認のため。」
「ふーん。かしこまりました。」
「痛っ。」
いつまでもニヤニヤする誠也の頭を叩く。
「しつこい。」
「はい。はい。すいませんでしたー。車の準備が出来たら知らせるわー」手を挙げていく。
「おー。」
フッ。アイツの性格の悪さでいくつもの交渉事が上手くいった‥‥けど、自分に向かってくるとめんどくせぇーヤツ‥フッ。
類かーヤンチャそうだったな‥‥‥‥‥。あんなにピョンピョン跳ねながら歩くものなか?
無意識に【2歳児 男子 歩く 跳ねる】っと検索していた。動画をみると、ちゃんと歩いてる子もいたが‥‥‥‥類は活発でヤンチャなタイプだな‥‥‥‥。
「キモッ。顔か緩んでる。」
「はぁ!!ってか秘書ならノックしろ!!」
「副社長様‥‥‥ニヤニヤしながらパソコンで何みてんの?やらしー!」
「はぁ!何も見てぇねーよ!」
「お前ー!見に行ったのか?」誠也がパソコンを覗き込み言う。
「‥‥‥‥‥‥。」
「どうだった?」
「間違いなく俺の子。写真より俺の小さい時にそっくりだった。なぜか‥‥‥‥‥‥」
「なぜか‥‥‥?」誠也が、眉間に皺を寄せる。
「ピョンピョン跳ねてた。」
ブッワハハハハハハハハ。
「だから跳ねるで検索してんの??」
「あーあ。なんか意味があるんかと‥‥‥」
「2歳児が跳ねる意味なんかねーわー!!!!」
誠也にバカみたいに笑われるが‥‥‥‥
「だって知らねーもん。2歳児。」
笑いすぎて涙が出たのか目頭を擦りながら
「‥で!どうだった?動く息子は??」
「‥‥‥‥‥愛しすぎて涙が自然に出てた‥‥‥‥。」
「‥‥‥‥。涙??」
しまったーまた弄ってくるな‥‥‥‥。サイアク。
肩を叩き
「あと少しだ。」予想に反して真剣な顔の誠也を見る。
「あーぁ。お前には感謝してる。」
「よしっ!行くか?副社長様!」また、ふざけだした。大きなため息をつき返事をする。
「おー!」