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第18話 ベビーシッター①

「ただいまー。」

光希が帰ってきた。

「おかえりなさい。予定よりだいぶんはやいね。」

「うん。撮影機材のトラブルで今日は何も撮れなかった。」

「えっ。って事は‥‥‥明日は‥‥‥?」

「‥‥‥‥仕事。ごめん。」

「仕事なら仕方ないよ。何とかなる!」右手で力こぶをつくってみせるが‥‥‥‥‥‥‥‥‥。動物園に行けなかった時の大泣きの類と2人で動物園に行って‥‥‥何回もイヤイヤと愚図る類を想像した。どっちの選択もトホホ。ヤバイ。

「あきらかに困り顔の花音に朗報です!」

「えっ?!何?」

「なんと‥‥‥‥なんと‥‥‥ロイヤルビールさんが、こちらのせいだからってベビーシッターを手配してくれた!!」

「えっ。ほんとう?よかったー。」うぅぅん?!ロイヤルビールさんって新さんじゃないよね??

「ロイヤルビールさんって‥‥‥‥‥‥広報の方とか?」

「ううん。今日も副社長が来てて副社長が手配してくれた。」

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。新さんが‥‥‥‥‥?!

「どうかした?」

「ううん。手厚いな‥‥‥‥普通なんかな?」

「うぅ〜ん。わからないけど‥‥‥今回は甘えよう??」

「‥‥‥‥‥‥‥‥。そうだよね。正直‥‥‥すごく助かるもんね。」

「うん。それに!!ベビーシッターがなんと‥‥‥あの‥‥‥‥‥誰だと思う?」

‥‥‥‥‥‥‥‥まさか、新さんとか、言わないよね??違うよね??

「‥‥‥‥‥‥わからない。誰?」答えをせかす。

「なんと‥‥‥‥‥‥‥飯塚光司さんです。」

「えっ‥‥‥‥‥‥‥‥‥。L&Pの??」

「そう!」

「えっえぇぇぇ。ウソー。凄い。」

「ねっ!凄いでしょ??イヤイヤ期の対策をいっぱい聞いて来てね!!」

「うん。ノートを持って行ってメモを取って来るよ。」

「うん。明日は‥‥‥何時にする?マンションまで迎えに来てくれるって」

「そうなんだー。心強い。9時30分ぐらいで良いかな??」

「うん。俺も同じ時間に出発するから‥‥‥飯塚さんに会えるわー!!連絡しとくね!!」

「うん。お願い。」飯塚さんの会社に電話したものだと思ってた‥‥。まさか、光希と新さんが連絡先を交換してるなんて思ってもなかった。


次の朝‥‥‥‥早起きして3人分のお弁当を作った。飯塚さんは食べてくれるか‥‥‥わからないけど、作ってみたんだけど迷惑かな??まぁ〜いっかー。食べれない時は仕方ないよね!!


「おはよー。」部屋から類の声が聞こえた。今日はご機嫌でお目覚めみたい‥‥‥‥うふふふ。

類を部屋まで迎えにいく。


「あっ。ママおはよー?ちょぅ、どうぶちゅうえんいくよーー。」

「類おはよー。今日は泣かずに起きれてエライね。動物園にいこうね!その前におトイレとご飯と歯磨きとお着替えの順番でしようね??」

「うん。じゅんばんでできゆー。」

「そっかー。じゃー1番にトイレに行こう!!」

「ひとりでできゆー。」

「そっか。終わったらお手手キレイに洗ってきてね。」

「はい。」

今日は、すごい良い子。動物園の効果は最強!!

「おはよー!」光希が起きてくる。

「おはよー!類、おはよーって起きてきて1人でトイレに行ってる!」

「まぢか?!毎日こうなら良いのにな!」

「うん。でも、ちょっとヤンチャぐらいで良いんよ!今はね‥‥‥‥‥‥。」

「まぁね。」

ドタドタと類が走ってくる。

「みて!キレイキレイできた。」って両手のひらを見せつけてくる。

「きれ~い。エライね。」っとお袈裟に褒める。

「るい。しゅごーい。」

「うん。次は‥‥‥‥ご飯だね。自分でパクパク食べれる人??」

「はぁ〜い。」

この調子で1度も「イヤー」っと言わずに、いつもの半分以下の時間で準備が完了した。

時間は‥‥‥‥まだ、8時すぎ‥‥‥‥後、1時間半もある‥‥‥‥‥。待ちくたびれて‥‥‥‥‥イヤイヤ発動するかも‥‥‥‥‥。発動する前の今のうちに自分の準備を急ぐ。


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