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第20話 動物園②

車の中は類の好きな幼児番組の歌がかかって、みんなで歌って楽しくて、あっという間に動物園に着いた。類も道中が楽しかったらしく、降りる時に少しイヤイヤとしたかが「動物園」って言葉に反応してくれて泣かずに降りてくれた。はぁーひとまずは、よかったぁ。


「写真撮りましょう。」

「あっ。はい。」写真‥‥‥‥もしかしたら新さんがみるのでは!‥‥‥‥‥私が写るのはマズイ。

「類だけでも良いですか?」

「いいですよ。類君〜こっち向いて。」

カシャン

「良い写真。見て下さい。」スマホの画面をみせてくれる。動物園の顔出しパネルに上手に顔を入れれてかわいいキリンになった類が写っていた。

「わぁー。かわいい。」カシャン

「フフフ。類君がかわいいって言ってる花音さんがかわいいです。」

「えっ!もうーからかうのは、やめてくださいよ。でも、ありがとうございます。」


「あっ。類!!待って。」類が走って入り口に‥‥‥‥。

類に追いつき手を繋ぐ。繋がれた事がお気に召せなかったのか‥‥‥

「イヤャャャャャー。」

やってしまったー。ここから大声になると覚悟してたら‥‥‥‥‥‥‥‥‥。アレ??泣き声が止まった。

飯塚さんがしゃがんで類と話しくれている。

いつも話を聞こうとするけど‥‥‥「イヤぁァァァ。」ってなるのに‥‥‥‥今日は、ちゃんと聞いてる。

すごぉーい。

「はちってごめんしゃい。」

類の前にしゃがんで類の両手を握る。

「ううん。ママも急に手を捕まえてごめんね。」

「いっしょ」ニッコリ笑い、指を自分と私を交互にさす。

「フフフ。2人ともごめん、いっしょだね。」

カシャ


飯塚さんのサポートで類はイヤイヤを発動しそうになるが何とか耐える事ができお昼ご飯の時間まできた。


「花音さん、お昼はどうしますか?」

「あ‥‥‥‥。迷惑だったらアレなんですけど、3人分のお弁当を作ってきたんですけど、外でシートを敷いて食べるでも良いですか??」

「もちろんです。逆に良いんですか?」

「良かった。たいした物は入ってないんですけど‥‥。」

「うれしいです。」

持ってきたレジャーシートを広げて座る。

お弁当を広げる。

カシャ

「えっ!」

「あっ。すいません。美味しそうでおもわず撮っちゃいました。ダメでした??」

「全然大丈夫です。でも、たいした物が入ってないから恥ずかしぃ。」

「フフフ。美味しそうです。」

「いったらきまぁーす。なっとうは??」

「お弁当になっとうはないよ。」

「なっとうがいいー。」

流石にお弁当に納豆は入れないよー。

ここでも、上手に誘導してくれて本格的なイヤイヤにならなくてすんだ。

「ありがとうございます。本当に助かりました。」

「プロですから!!」

「アハハ。そうですよね。」

「花音さんは、もっと強く出て良いと思いますよ。周りの人に迷惑をかけるっと思うから‥‥‥変に焦りと弱さが出てるを類君に見抜かれてるのかもしれないね。ないものはないという事をはっきり伝えて、代替案を提示すれば類君はお利口だから理解できると思いますよ。」

「代替え案ですか?」

「はい。さっきは、動物さん達が納豆の臭いキライだから、動物園では納豆を食べるのを我慢できる?そのかわりに、お家で夜に納豆ご飯たべようね。

って言ったら「あい。」って言ってたよ。類君は話せばわかる気がする。説明する時は本格的にイヤイヤってなる前に!!本格的にイヤイヤってなったら落ち着くまで何を言っても入っていかないからね。

「ほぉぉ。勉強になります。ちゃんと説明しても聞いてくれないって思い込んでいました。早めのタイミングですね。やってみます。」

「うん。気負わずね。」

「はい。」

お昼を食べて、しばらくすると類が眠たくなったので家に帰るために車に乗せてもらう。

車に乗ると類はすぐに寝てしまった。


「飯塚さんのおかげで楽しいお出かけになりました。ありがとうございました。イロイロ勉強にもなりました。」

「いえいえ。花音さんは頑張りすぎないようにして下さいね。困ったらいつでも相談して下さいね。」っと赤信号で止まった時に名刺を差し出される。

「‥‥‥良いんですか?」

「もちろん。」

「ありがとうございます。心強いです。」

「フフフ。そう言ってもらえるとうれしいよ。」

「花音さん‥‥‥‥ちょっと聞いて良い?イヤなら答えないで、いいからね。」

「はい。」

「類君のお父さんは??」

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」

「あっ。ごめん。さっきのはナシで!」

「いや。大丈夫です。何て言えば良いのかな‥‥と考えてたんですけど、類の父親とは妊娠が発覚する前に振られたんです。」

「えっ!」

「それも、私の両親が事故で亡くなって2時間もしないうちに彼のお母様が病院に来られて言われたんです。両親が亡くなったあなたに興味がない。連絡も会いにも来るな。関わらないで‥‥って息子が言ってると‥‥‥‥‥。」

「なにそれ??」

「信じられなかったです。でも真実です。その後に妊娠に気づいたんです。」

「そうなんだね。よく頑張ったね。えらいよ。」

「ありがとうございます。誰にも話せなかったので‥‥‥聞いてもらえてよかった。」

「誰にも??」

「はい。弟の光希も事故のショックで記憶が抜け落ちてしまったので‥‥‥‥類の父親の記憶はないんです。」

「そうなんだね。記憶が抜け落ちてるって‥‥見えないね。テレビで見る耀君は明るくて元気な少年だね。」

「はい。私達親子を養うために光希はテレビの仕事をしてるんです。申し訳ないな‥‥‥って思ってます。」

「う‥‥‥‥ん。申し訳ないと思ってると、頑張ってる耀君にもっと申し訳ないと思うよ‥‥‥。」

「えっ。」

「今は、ありがとうで良いんじゃないかな?耀君も花音さんと類君に助けられいる所があるよ。きっと!だからお互い、ありがとうで良いと思うよ俺はね。」

「‥‥‥‥‥。そうですね。そんな風に考えられなかった。うん。確かにそうですね。」

「うん。はぁーい。着いたよ!!」

「ありがとうございます。」

飯塚さんが類を車から降ろしてくれる。

「類君を部屋まで連れて行こうか?」

「ありがとうございます。大丈夫です。慣れてるんで全然大丈夫です。」

類を抱っこして肩に荷物を掛ける

「本当に大丈夫?」

「大丈夫です。今日は本当にありがとうございました。助かりました。」

「いえいえ。何かあってもなくても連絡して。」

「フフフ。なくても連絡して良いんですね。」

「花音さんが誰かと話したい時は連絡して。待ってるね。」

「はい。」

「じゃー。行くねー。」

車が見えなくなるまで見送る。






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