重苦しい空気を破って口を開いたのは誠也だった。
「まぁ〜悠長に再会の機会を伺う事は難しいって事だよ。」
言われた新は何かと葛藤しているようで下を向いて頭をガシガシかいてはため息をついていた。
バシっ!!
新の頭を光司がはたく。
「痛‥‥‥。」新は顔あげて顔をしかめる。
「考えてる時間はないぞ。花音ちゃんが何かに気づいてると‥‥‥‥相手が知ったら?花音ちゃんが危ない目に合うんじゃないか??常に一緒にいる類君も危ないだろう。」
「あぁ‥‥‥‥分かっている。犯人もな多分‥‥‥‥。」
「えっ!犯人もか?」光司は驚いて大きな声を出し新に向かって前のめりで聞く。そして、まったく驚いていない隣の誠也を見て‥‥‥‥‥。
「誠也も分かってるのか??」
「確証がないんだ。花音ちゃんの両親の事故とは関係なく‥‥‥‥今、この会社の不正を暴いてる最中でな‥‥‥‥花音ちゃんの伯父が関係してるのではないかと睨んでる。それに通じている者の2名もあぶり出せている。その3人が花音ちゃんの事故に関わっている可能性が高い。事故のおかげで利益をあげたものばかりだしな。」新に顔を向けて言う。
「あぁ。でも、確証がない。今、表だって動けば、証拠が握れず逃げられる。もう少し泳がして証拠を得たいが‥‥‥‥‥。時間はない。」
「「そうだな。」」
「とりあえず、花音ちゃんの前に現れるしかないだろう。頑張れよパパもどき」光司がニヤっと笑って、俯いていた新の頭を撫ぜる。
「そうだな。」誠也も頷く。
「俺‥‥‥‥‥最低の男になってるよな。花音が1番辛い時に突き放したように思われてるよな‥‥‥‥。」
「義理母に嵌められた事に気づかなかったお前の落ち度だろ!仕方ないよな。」誠也が言う。
「分かってる。はぁァァァ。でも、悩んでても仕方ない。小賢し事はせずに正面から会いに行って話を聞いてくれるまで謝るしかないよな。」
「「あぁ。」」
「1日、一緒にいただけでも花音ちゃんが良い子ななのはわかる。わかりあえるよ。‥‥‥‥‥‥‥‥たぶん。」
「フッ。多分かよ!」新が光司の頭をペシッとはたく。
「はぁァァァァァァァァァ。よしっ。」
バタッ!新が立ち上がる。何か言う感じをかもし出すが‥‥‥‥‥‥‥‥。中々、言わずに立ち尽くす。
「おぉーーい!何も言わねぇの!!」誠也がツッコむ。
「‥‥‥‥‥。覚悟を決めてた。うん。明日、会いに行く。」
「「おぉ。」」
「まずは、会いに行くだけだぞ。無理強するなよ。事故の事も、まだ聞くな。」誠也が言う。
「あぁ。分かってる。明日、朝からリスケ頼む。」
「了解。」
「そろそろ俺は帰るわ。殴りに来ただけやし〜。」
「ちょっちょっと待て!!今日の写真、動画のデータをくれ。」
「あっら〜。新君!さっきも言いましたよ。頼む時は何て言うのかな?わかるかな?」
「ください。」「えっ!何?」
「データをください。お願いします。」
「いいですよ。別料金で加算しときますね。」っとニヤニヤしなが光司が頭の頭をなぜる。