午前練習前に道場を掃除してたら‥‥‥将太君が来る。
「早いね。」
「うん。長崎より先にきたかったから‥‥‥‥」
「長崎君?まだ来てないっぽいけど用事?」
「いいや。」
「えっ。そうなん。」ちょっと意味がわからなくて首をかしげる。
「愛梨奈は?託児所?」
「ううん。真央さん所。」
「よかった。!」
「えっ!なんで?」
「うーーん。よくわからんけど、何か俺達の事をリサさんにしてもらうために‥‥‥‥愛梨奈が託児所に行くのは‥‥‥‥何か嫌だ。」
「えぇー。託児所の、先生もよくしてくれるよ?」
「分かってるけど何かイヤだ。」
「そっかー。」
「うん。」
「愛梨奈を大事に思ってくれてありがとう。」
「‥‥‥‥‥おぉ。」
アレ?何か‥‥‥‥‥将太君照れてる。可愛らしい。
「フフフフフフフフフ。」
「はぁ。何?」
「なんでもない。何か赤いな‥‥‥‥っと思っただけ!」
「赤くねぇーし。」
「そう。」
「お願いします。」っとキレイにお辞儀をして長崎君が道場に入ってきた。
「おつかれ。早いね。」
「あっ。はい。おつかれ様です。」
「もう、来たーー。長崎もっと遅くでもよかったのに‥‥!」
「‥‥‥‥‥‥。えっ。いやです。」
「ブッワハハ。将太君‥‥‥‥意地悪いわないの!縄張り意識高めのゴリラみたいやからやめて!」
「誰が‥‥‥‥ゴリラやねん!!」
「ハハハハハハ。」
「仲が良いんですね。みんな。」
「うん。長崎君の大学も仲が良いでしょ?」
「学生どうしは‥‥‥まぁーそれなりにですけど‥‥‥‥。寮母さんは、ほんとうにおばさんで共同部分の掃除と食事だけでした。食事も‥‥‥‥。」
「ここも、リサさんの前までは同じようなもんやった。リサさんが来てくれて良かった。愛梨奈もかわいいし。食事も減量中は別メニューにしてくれるしな!」将太君が長崎君の肩を組む。
「えぇぇぇ。減量の別メニューですか?」
「減量の‥‥‥‥‥。ってわけじゃないけどね。減量したい子も増量したい子もいるけど食堂のメニューは一緒やから別にできたらな‥‥‥‥‥って思ったからね。でも、それは寮費とは別に料金もらってるから、出してくれる両親にみんな感謝しないとね!ね!!将太君!!」
「ハイハイ。してるー!」
「爪のケアもリサさんが??」
「あぁ〜。柔道って‥‥‥‥よく爪をケガするでしょ?知らなかったけど‥‥‥‥‥だから‥‥‥ケアしたら割れにくいかな?って思っただけ‥‥‥‥‥全部‥‥‥‥信頼してやってくれる、みんなのおかげやね。」
「羨ましいです。」
「あげんからな!!絶対!!」
「ふっ。将太君のでもないけどね!!あっ!爪のオイル塗る?」
「はい。」
「オイル?クリーム?どっちにする?」
「どっちが良いかわからないです。」
「俺はオイルを塗ってる。」っと爪を見せる。
「俺もオイル、良いですか?」
「良いよ。オイル持ってくるね。」
「コレがオイル。塗ってみる?」
「はい。」
「手だして。」
「えぇぇぇ。リサさんが塗るん?」将太君が言う。
「もう!耳元でウルサイよー。初めての時は将太君もみんなも塗ってあげたでしょ!!」
「そうやけど‥‥‥‥ソレとコレは違うみたいな‥‥‥‥‥。」
「一緒!!長崎君、手を出して。」
オイルを右手の爪に塗り終わると、なじむように、指でクルクルする。
将太君がめっちゃ見てくる‥‥‥‥。
「めっちゃ、見るやん!!もぉー!長崎君、次は左手出して!」
左も同じようにする。
「どう?練習中は気になりそう?」
「大丈夫そうです。どこに売ってますか?」
「えっ。化粧品売り場?」
「えっ?!‥‥‥‥‥‥‥」
あっ。化粧品売り場には行きにくいか‥‥‥‥‥‥。
「よかったら、午前練習が終わって‥‥‥午後練の合間に一緒に買いに行く?」
「あかん。オイルなんか、いっぱい倉庫に買い置きあるやん!それ持ってかえったらええやん!」
「あかんよ。アレは奈良大学の部費で購入したやつやからダメ!ごめんね。」
「いや、全然です。‥‥‥‥あっ。買いものーいっしょに‥‥‥‥‥‥‥‥」
「うん。一緒に行こう!」
「俺も行く!」
「いいけど‥‥‥‥将太君は、お昼寝するんじゃないん?」
「今日はせーへん!」
なんか‥‥‥ちょっと不機嫌な将太君に‥‥‥首を傾げる。
続々と集まってきて午前練習が始まった。
八戸君はクリームを選択したのでクリームを塗ってあげた。八戸君は妹さんがいるみたいで家に同じのがあるって!!
午前練習が終わって‥‥‥‥長崎君を探す。あっ。いた!!
「長崎君!お昼を食べて1時に玄関に集合で良い?」
「はい。」
「愛梨奈も連れて行って良い?」
「あっ。もちろんです。」
「ありがとう。じゃ〜1時に!!」
「はい。」