ちょっとしたトラブルはあったが‥‥‥無事に合宿が終了した。
長崎君には最終日の今日、もう一度巻き込んでしまった事に対しての謝罪をした。
ないとは思うけど万が一、周平が長崎君に何かアクションを起こしたら些細な事でも連絡して欲しいっとお願いして連絡先を渡した。長崎君は「わかりました。自分のも伝えておきます。」っと連絡先を教えてくれた。イロイロ心が落ち着かない3日間だったなー。
「「ありがとうございました。」」っと日本代表選手が帰っていく。最後に長崎君と八戸君が挨拶をしにきてくれたので‥‥‥‥外に出て
長崎君と八戸君が乗った車を見送る。
空気が冷たすぎて頬が刺さるように痛い。
頬が痛いのか‥‥‥心が痛いのかわからない。
カサカサカサっと風で落ち葉が動くのを‥‥ただただ、見ていた。
明日は29日で午前中の大掃除で学生はお家に帰る。
愛梨奈と2人で寮に残る予定だったけど‥‥‥‥。
こないだの周平の事があるから、真央さんのお家にお邪魔させてもらう事にした。
真央さんに迷惑をかけてしまう事になるのが申し訳なくて自分の不甲斐なさと周平に対しての怒りが込みあげてくる。
「リサさん?どうした?」将太君の声を聞いてハッとする。
「うん?何でもないよ。」
「リサさんは何も悪くない。アイツが100%悪い。」
「‥‥‥‥‥うん。」何で将太君は分かるんだろう‥‥‥‥。
「明日からどうするん?」
「みんなが里帰りしてる間は真央さんの所に行く事にした。明日は‥‥‥何人か残ってたから明後日からかな‥‥‥‥‥。将太君は明日?」
「明日の予定やけど‥‥‥別に帰らなくても良いんやけど‥‥‥‥。」
「フフフ。ありがとう。大丈夫だから‥‥ちゃんと親孝行してきて!!」
「よくソレを言われるけど実家に帰って親孝行って何するん?」
「うーーん。元気に帰っていっぱい食べる!とか‥‥‥‥??」
「フッ。」将太がこちらをチラッと見る。
「あーバカにしたな!」
「してないけど、リサさんらしいなって思った。」
「今更やけど‥‥‥愛梨奈は?」
「真央さんが見てくれてる。託児所は今日からお休み。」腕時計に目をやると18時をすぎていた。
「えぇぇぇ。18時過ぎてたァァァ。真央さんに電話して迎えに行かないと!!」
「暗いから俺もいく。」
「ありがとう。電話してみるね。」
スマホを出すと丁度、真央さんから電話がなる。
「もしもし。ごめんなさい。今から迎えに行こと思ってたの。」アレ?なんか真央さんの様子がおかしい。
「もしもし?真央さん?」
「ちょっと大変な事になったの。今すぐ来れる?」
「はい。愛梨奈の事ですか?」
「ううん。ちょっとね。愛梨奈は元気よ。」
「わかりました。すぐに行きます。」
首を傾げながらスマホをしまう。
「どうした?何かあったんだろ?」
顔をあげると間近に将太君の顔があって。ビックリして、わぁァァァーっと後ずさる。それを見て、後ずさった分、将太君が前に詰めてくる。
「で!なに??」
「大変な事になったから今すぐ来てって。」
ガシッ!将太君が腕を掴む。
「行くぞ!」
「あっ‥‥‥うん。」手が気になって上手く走れないよ〜。グイグイ引っ張ってくれる。
「愛梨奈ケガ?熱?」
「愛梨奈は元気らしい。」
ドン!!
将太君が急に止まるから背中にぶつかる。
「痛い。」鼻をさすりながら言う。
「あっ。ごめん。愛梨奈に何かあったと思って焦ってた。元気なんか‥‥‥そうか、よかった。」
手を掴んでるのに気付いたみたいで‥‥‥わぁぁぁぁ。っと言って手は離される。
「焦っててごめん。」恥ずかしそうに頭を掻く将太君が何だか、うれしくて‥‥‥‥。
「ううん。ありがとう。」
「別に‥‥‥‥。じゃ何かな??」
「わからないけど‥‥深刻なカンジだった。」
「そっかー。とりあえず行こう。」
「うん。」
また、小走りで理事長室に急ぐ。
「あっ。お前らも呼ばれたの?」理事長室の前で才木監督に出くわす。
「はい。」
才木監督もいるって事は柔道部の事かな??
「何か知ってる?」
「いや」
「いいえ。わからないです。監督も?」
「おお。」
コンコン。
とりあえず入ろうとドアをノックする。
「どうぞ!」
ガチャン
緊張しながら中に入る。