将太君の言葉で少しだけ私の心情は浮上することができた。
残りのトンカツを頬張って食べる。うん。大丈夫!食欲もあるし‥‥‥ちゃんとご飯が美味しい。
ブーブーブーブー
スマホに着信があり確認する。皆の空気が一瞬ピリッとしたのを感じる。みんな心配してくれてるのがわかる。スマホを確認して
「大丈夫。隆君から。」っと言って電話に出る。
「もしもし?」
「リサ??大丈夫か?」
「うん。大丈夫。トンカツも食べたしね。」
「ふっ。そっかーよかった。また、卑屈ちゃんになってんのかな〜って思ってたよ。フフフフフ。」
「あ〜。なってたよ。最初はね。さっきもなりかけたけど‥‥‥なんとか耐えれたよ。」
「そっか‥‥‥。奈良に行ってよかったな。マリは毎日、寂しがってるけどな。」
「マリも同じ事を言ってたよ。さすが夫婦!」
「あっ。言ったんだね。怒り爆発したんちゃん?」
「爆発してたよ。ワハハハハハ。」
「そっか。あっ。本題なんだけど、30分後の22時にオンラインを繋げられる?」
「うん。大丈夫。」
「メールでコードとパスワードを送るわ。連盟と茨城大学にも連絡お願い出来る?」
「うん。連絡するね。こんな年末にごめんね。」
「全然いいよ。じゃー22時に。あっ!愛梨奈ちゃんは?」
「お風呂入ってミルクを飲んで、ご飯食べずに寝ちゃったよ。」
「そっかー。何かを察して寝てくれたんだよ。賢い子やな。」
「うん。」
「じゃぁ。後で‥‥‥。」
電話を切る。
「22時からオンラインで繋げたいってコードとパスワードはメールで送るので連盟と茨城には伝えてほしいって事なんだけど‥‥‥‥」
「了解!私が伝えておくわ。それより、愛梨奈、ご飯食べずに寝ちゃったんだね。かわいそうな事したな‥‥‥。」真央さんが愛梨奈が寝ているベットを見ながら、トーンを落として言う。
「ありがとうございます。うん。でも、ミルクをいっぱい飲んだから‥‥‥‥。次に起きた時にもミルクをいっぱい飲むと思うから大丈夫!」
真央さんに、ニッコリ笑って伝える。真央さんも優しく微笑む。
「そっかー。明日は、いっぱいモリモリ食べてもらおー。大好きなイチゴを買っておくからね。」っと愛梨奈をホッペをツンツンしながら言う。
「愛梨奈って、イチゴ好きなくせに、凄い顔で食べるんが可愛いよな」将太君がちょっとしんみりした空気を変えるように言う。
「フフフ。そうそう。すっぱいんやろね。」って真央さんが笑う。
フー。空気がかわったー。よかった。
10分前にはログインして準備してると‥‥‥‥画面に長崎君が映る。横に男性が2人いるので柔道部の監督と大学の方やろうな‥‥‥‥‥。連盟の方も男性が2人うつる。
まわりに人がいるけど‥‥‥長崎君に声をかけたい‥‥‥‥。
まずは‥‥‥連盟の人と茨城大学の人に自己紹介と‥‥‥謝罪をしないといけない。隆君達がまだ、ログインしてきてないので、この時間をかりよう!!ガタッ!!立ち上がる。音に反応して視線か集まったのがわかる。緊張で声が震えそうだけど口をひらく。
「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。荒木リサです。長崎選手巻き込んでしまって申し訳ありません。」数秒間、頭をさげる。
ガタッ!!
長崎君が立ち上がる。
「こちらこそ、しっかり否定できなくてすみません。」頭を下げる。
ビックリして反応が少し遅れたけどブンブン手を振り「イヤイヤ。長崎君はまったく悪くないです。」
巻き込んでしまった長崎君に申し訳ないと思わせてしまった事がショックで涙ぐんでしまう。
それを見ていた連盟の会長が‥‥‥‥口を開く。
「2人とも、まったく悪くない。大丈夫だよ。」っと優しく微笑まれる。他の皆も、その言葉に頷いている。それを見てホッとしたのと、みんなの優しさにスーっと涙が流れた。