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その長毛因子はどこから?!フサフサの「ふさお」

 前エピソードの「すみえ」と同時期に保護していた仔猫「ふさお」。

 同じ敷地内にいた彼は、一緒にいたもう1匹のフサフサ猫と共に捕獲された。


 捕獲したのはなんと、猫を飼ったことが無く、猫の扱いにも不慣れだったハウスキーパーの女性。

 ふさおともう1匹の猫は、素人同然の女性に素手で捕獲された。

 しかもそのまま2匹まとめて抱えられながら、キャリーがあるメンテ室まで連れてこられた。


 当時のふさおは生後4ヶ月くらいかなぁ? と思われる仔猫。

 まとめて捕まった猫はふさおよりも大きく、メスだったので母猫かと思った。


「その猫はお母さんじゃなくてお姉ちゃんだよ」

「えっ?」


 メンテスタッフの1人は、ホテル敷地内の猫事情にめちゃくちゃ詳しい。

 その彼の情報により、捕まった2匹は姉弟だと分かった。


「お母さんはアンナちゃんだよ」

「えぇっ?! 全然似てない!」


 母猫だと教えられた猫アンナは短毛。

 長毛の猫は、敷地内ではふさお&姉しか見かけなかった。

 そのフサフサ因子、どっからきた?!



 捕獲後しばらくして、姉猫はTNRの手術を受けた。

 保護中は人の姿を見ると「アァァァウ~!」とも聞こえる、役場のサイレンみたいな声を出す猫。

 それで「サイレン」という地域猫登録名をつけたけど、リリース後に違う名前がついた。

 現在は地域猫「フサコ」として暮らしている。


 ふさおはしばらくの間すみえと同じケージで同居していて、譲渡会にも一緒に参加した仔猫。

 といっても長毛のためデカく見えて、仔猫っぽさは薄い。

 すみえは譲渡会では里親希望が無かったけれど、ふさおは比較的早く里親が決まった。



 ふさおは穏やかで、他猫に対して友好的だった。

 仕事仲間が育てた仔猫「七宝」にシャーされても「どうしたの?」という感じでキョトンとするだけ。

 それなら、先住猫がいる家の方がいいかもと思い、里親募集チラシには「社交的な性格です。先住猫がいるお家に向いています」というPR文を添えた。

 それが良かったようで、ふさおは先住猫がいる家に家族として迎えられた。


 トライアルを経て先住猫に受け入れられた彼は、仮名そのまま「ふさお」として飼い猫になっている。

 仮名がそのまま里親さんに使われることは少ないので嬉しい。

 里親さんが、時々ふさおの様子を画像で報せてくれるのもありがたい。

 このまま先住猫と共に健康に過ごして、天寿を全うしてくれたらいいな。

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