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借り物競争にて 1.5

涼音すずねちゃん、お疲れ様」


 ゴールで労いの言葉をかけてくれる三年生に涼音は、そういえば中身を確認していなかったな、と思いながら紙を渡す。


 紙を受け取った三年生が中を見た瞬間に吹き出す。


「ぷっ――。涼音ちゃん……ナイス」


 震えながら親指を立てた三年生に涼香りょうかが突っかかる。


「なんて書いていたのよ、見せなさい」

「涼音ちゃんゴールだよ。ほら、アンタはさっさと戻る」

「あ、はい。それじゃあ先輩も頑張ってくださいね」


 中には一体なんと書かれていたのだろうか。気になったが、これ以上目立ちたくない涼音はすぐにその場を離れるのだった。

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