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梅雨が明け、空高く昇る太陽が容赦なく身を焼く七月の昼休み。
「先輩、今度から中で食べません……?」
額に汗を浮かべた
「そうね、梅雨が明けたと思ったら暑くなるなんて……理不尽だわ」
汗が涼香の頬を通って滴り落ちる。
「せっかく外で食べれるようになったと思ったんですけどね」
外は教室や食堂に比べて人が少ないため、涼音は外で食べるのが好きなのだが、この暑さだとそうも言っていられなかった。
今日は頑張ってお弁当だけは食べ切った。これでしばらくの間、外で昼食を摂ることができなくなる。
「帰りに冷水機に寄りましょうか」
涼香が空になった水筒を逆さまに持つと、一滴の水が虚しく落ちていく。
「とりあえずあたしの水飲みますか?」
「ありがとう」
水筒を受け取った涼香は、水を飲みだしたが、口の端から水がボタボタとこぼれていた。
「えぇ……」
「最近よくこぼれるのよ」
口を拭いながら涼音に水筒を返すのだった。