ある日の放課後。
「あっちむいてホイをしましょう」
突然
スマホを眺めていた
「なんでですか?」
露骨に顔を顰めて発せられた言葉は、鋭いナイフとなり涼香の心を突き刺す。
「涼音……⁉」
恐ろしいものを見たような表情を浮かべる涼香、しかし今日はここで諦める訳にはいかなかった。
飛んでくるナイフを弾き飛ばす勢いで涼香は反撃する。
「やりたいからよ!」
小細工など必要無い、純粋な言葉。涼音にはこれが効く。
その言葉はナイフ吹き飛ばし、涼音の胸を穿つ。
勝敗は喫したに思われたが、涼音の最後のあがきであるクソデカため息が発動。涼香はちょっぴり泣きそうだった。
だが最後のあがきになんとか耐えた涼香。涼音にはもう抵抗する気力は残っていないらしく、やれやれと首を振る。この勝負、涼香の勝ちだ。
「仕方ないですね」
第一ラウンドは涼香の勝利で終え、次はあっちむいてホイでの対決だ。
とりあえず涼香は涼音の頭を撫でてお互いの気力を回復させる。
「私は、強いわよ!」
「そうですね」
互いに拳を構える。
放課後の誰もいない教室で、人知れぬ戦いの第二ラウンドが今、始まる!