ある日のこと。
「せんぱーい。マッサージしてくださいよう」
ゴロン、ゴロンと、隣にいる虚無の表情の涼香にタックルをする。
「………………………………………………………………」
「えぇ……」
へんじがない。ただのしかばねなのか?
「ねーえ。せーんーぱーいー」
涼音は涼香を揺すってみるが、涼香は全く反応を返さない。
「もう……」
口を尖らせた涼音は涼香の脇腹を容赦なく触る――というか鷲掴む。
「うひゃいっ」
ビクンと涼香の身体が跳ねる。
今まで虚無だった涼香の顔に表情が戻っていた。
「全くもう、早くマッサージしてくださいよ」
「待ちなさい、いったいどういうことなの? 私はいったい、なにをしていたの……?」
「知りませんよ。それよりはーやーくー。マッサージしてくださーい」
なぜか戸惑っている涼香のことなどどうでもよかった。涼音は早くマッサージをしてほしかったのだ。
「仕方ないわね」
肩をすくめた涼香は、早速涼音の上に跨るのであった。