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家庭科室にて 6

「そういえば――」


 家庭科室にやって来ている涼香りょうか涼音すずね


 そして涼音は、トイレに行くと言って席を外していた。


「どうして涼音は可愛いのかしら?」


 そんな中、涼香は正面に座る菜々美ななみとここねに聞いてみた。


「知らないわよ」

「涼音ちゃんだから……?」

「流石ここね、菜々美とは違うわね」


 そう言って涼香は正面に座るここねの頭に手を伸ばし――。


「私のここねに触れないで!」


 ベシンっ、と菜々美に叩き落とされる。


 涼香は叩き落とされた手を優しく撫でながら、細めた目を菜々美に向ける。


「痛いわね。以前から思っていたんだけど、菜々美はここねのことを独占しすぎだと思うのよね」

「当然よ! 私はここねのことがす、すす……大切だから!」


 それを聞いた涼香はふっ、と笑って腕を組む。


「私も涼音のことを大切だと思っているわよ!」

「知ってるけど知らないわよ……」


 頭が痛くなってくる菜々美であった。

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