「そういえば――」
家庭科室にやって来ている
そして涼音は、トイレに行くと言って席を外していた。
「どうして涼音は可愛いのかしら?」
そんな中、涼香は正面に座る
「知らないわよ」
「涼音ちゃんだから……?」
「流石ここね、菜々美とは違うわね」
そう言って涼香は正面に座るここねの頭に手を伸ばし――。
「私のここねに触れないで!」
ベシンっ、と菜々美に叩き落とされる。
涼香は叩き落とされた手を優しく撫でながら、細めた目を菜々美に向ける。
「痛いわね。以前から思っていたんだけど、菜々美はここねのことを独占しすぎだと思うのよね」
「当然よ! 私はここねのことがす、すす……大切だから!」
それを聞いた涼香はふっ、と笑って腕を組む。
「私も涼音のことを大切だと思っているわよ!」
「知ってるけど知らないわよ……」
頭が痛くなってくる菜々美であった。