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そういえば――編

家庭科室にて 5

「そういえば――」


 ある日のこと。


 家庭科室にやって来た涼香りょうか涼音すずね


 そして涼香は、トイレに行くと言って席を外していた。


「お二人が付き合っているのって、先輩知ってるんですか?」


 そんな中、涼音は正面に座る菜々美ななみとここねに聞いてみた。


「えっ、うっ……なんか、付き合ってるって響き、照れるわね……」

「どうなんだろう? みんな知っているから、当然涼香ちゃんも知っていると思うんだけど……」


 頬を染めている菜々美を見ながらここねが答えた。


「でも、涼香のことだから、涼香だけ知らない――なんてこともあり得そう」

「先輩ですもんねぇ」


 やれやれと首を振る涼音と菜々美。


 その様子を見ていたここねは、微苦笑を浮かべるのだった。

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