第2話 智也 6
来てください!
という思いと
来ないでください!
という思いの中で…
僕が一人でおちつかずにいると校舎の角から人影が現れた。
先輩だ!!
ダメだ!ふられる!
言う前からいきなり負け犬思考になった。
先輩との距離はそう思っている間にも近付いてくる。
僕の目の前にきた。
僕には先輩が怒っているのか笑っているのか見ることさえできなかった。
何より声が出ない。
告白するために呼び出しておいて声が出ないなんて最悪なんてもんじゃない。
僕は死んだ気持ちになって自分の想いをとにかく口に出した――