第3話 菜々 6
「智也」
「先輩!」
きちんと待ってるなんて感心。
「待った?」
「全然!大丈夫です!」
「そう、じゃっ行こう」
と言って私は智也にバッグを渡した。
「彼女の荷物は彼氏が持つんだよ」
「ですよね!」
智也は嬉しそうに私のバッグを持って後をついてきた。
ほんとに変わってるヤツだ。
徹ならブーたれながら持つのに。
「ねえ、喉かわいた。あそこ行こう」
私は駅前のロッテリアを指した。
「はい!」
「じゃあ、私、席取ってるから。あっ、アイスティーお願いね」
「はい!」
なんか私が声かけるたびに嬉しそうに返事するから少し可愛く思えてきた。
まるでペットみたい。