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第33話 双子巫女 諏訪式姉妹

伊佐山君の叔父さんに続いて廊下を歩いていると、不思議と温かく、清々しい気持ちになってきた。

そして視界が明るい。

なんだろうこれは?目に入るもの全てが明るく感じるのだ。

「先生。私、なんか変な感じ」

「あなたも?」

「先生も?なんだか気持ちがすっきりして温かくて…… 周りが明るいの」

「私もよ」

「それはこれから会われる方の影響です」

「えっ?どういうことですか」

「全てが浄化される。あの方達のオーラが、今この家に満ちているせいです」

「なんか凄くない?」

「そうね……」


私と巴は叔父さんからある人を紹介された。

襖で仕切られた部屋へ案内されると、巫女さんが二人、正座していた。

「あっ……」

私も巴も思わず声を漏らした。

二人の巫女さんは全く同じ髪型に顔をしている。

双子だろうか。

肩まで伸びた髪は市松人形のようで、肌は白く、大きな瞳からは強固な意思を感じる。

薄く紅をひいた唇を真一文字に閉じてこちらを見ていた。

歳の頃は…… 高校生くらいだろうか?

不思議と二人の周囲だけ明るいような気がした。

「さあ、座って」

呆然とする私と巴、伊佐山君の前に叔父さんが座布団を置いた。

全員が座ると叔父さんが巫女さんを指して、「こちらは諏訪式祓椰さんと諏訪式清伽さん。今回の除霊を主導していただく方々です」

二人の巫女さんは、同じ声でそれぞれ名乗った。

「姉の諏訪式祓椰です」

「諏訪式清伽。妹」

向かって左に座っているのが姉の祓椰。

右に座っているのが妹の清伽ということが今の名乗りでわかった。

姉の祓椰はお辞儀をしたが、妹の清伽はぶっきらぼうな感じで頭をちょこんと下げただけだった。

表情も不機嫌な感じになり、ようやく見た目で区別がつきそうだ。

「清伽。きちんとして」

頭を下げたままの祓椰が言うと、清伽は短いため息をついた後に「妹の諏訪式清伽です」

と、折り目正しく挨拶をした。

どうやら性格の方は見た目のように「そっくり」というわけではないらしい。

そして二人が顔を上げた。

「お人形さんみたいで可愛い」

巴が言うと「よく言われます」と、祓椰が無表情のまま言い、「それ、知ってるから」と、清伽が不機嫌そうに言った。

こと自分たちの外見に関しては姉妹の意見は一致しているらしい。

しかし、これはどういうことだろう?

私はてっきり伊佐山君の叔父さんが除霊してくれるものと思っていたが違うのか?

そんな私の疑問を察したのか、叔父さんが口を開いた。

「私のところに諏訪式さんから連絡が来ました。これは蛇餓魅の仕業だと。それもかなり強力な。だとすると私の手には負えません。幸いにも諏訪式さん自らお祓をしていただけるとのこと。諏訪式さんは蛇餓魅のことをよく御存知で、日本でも五本の指に入る霊力をお持ちです」

「そ、そんな凄い方が……」

「私たちのやっていることは、いわば国家が認知して行っていることと思ってください」

「マジか?」

巴は言いながら二人を見る。

「安全保障条約の裏項目にも明記されてるから。試験には出ないけどな」

清伽が仏頂面で言う。

見たところ諏訪式姉妹の容姿は高校生くらいだろう。

巴とそれほど歳が離れているわけではない。

そんな年齢の子供が、日本でも有数の霊力を持ち、国に関わっているとは……。

あまりにスケールが大きすぎて頭が混乱してきた。

これは冗談なのか?と、さえ思えてくる。

「あなた方は『大呪』という言葉を御存知ですね」

祓椰が私と巴の顔を交互に見ながら聞いた。

「は、はい」

「あなたたちも知っているの?」

「知ってるもなにも大呪の流れを整えるのが私らの仕事だから。ていうか、本当は無闇に名前を口にするのもタブーなんだけどね」

私の問いかけに清伽が半ば呆れた感じで返す。

「あなた方に禍を成している蛇餓魅とは大呪から生まれたものです。今回、一連の禍は全て大呪と蛇餓魅の関係性から成り立っています」

「それは……どういうことなのですか?私たちは殺された村田美奈子さんや自殺した女子高生が蛇餓魅だと思っていましたけど……違うのでしょうか?」

「半分は正解ですが、半分は間違えています」

祓椰が背筋を伸ばしたまま続ける。

「まず、皆さんには大呪と蛇餓魅について正しく理解していただかねばなりません。私からお話いたします」

あの家に書かれた謎の言葉。

いくら調べてもわからなかったことが、今わかる。

蛇餓魅のことも。

「この世に人が生まれてから、陽の気は上へ、陰の気は下へ分かれました」

祓椰が右手の人差し指を上へ、左手の人差し指を下へ向けて話す。

「陰の気っていうのは恨みや悲しみ、怒り、妬み、要するに人が持つ負の感情ってことね」

清伽はめんどくさそうに祓椰の言葉を補足した。

「下っていうのは?どういうこと?」

「地下です。地下に落ちた陰の気、負の感情はやがて大きな流れになり、合流と分流を繰り返して、いつしかこの世の地下に毛細血管さながらに張り巡らされました。あらゆる負の感情が集まり、気が遠くなるような年月をかけて、今現在も広がっています。大呪とはまさに『呪い』そのものなのです」

「そんなヤバいのが何十万年も私たちが暮らす下を流れているってこと。大呪の流れが大きくなり荒れてくると、その影響は地上にいる人間社会にも及んでくる。人の精神にね」

「大呪の影響はあまりに広範囲かつ大きいので、時には社会全体の空気を悪しき方向に傾けます。もっともわかりやすいのは戦争ですね。私たちはその大呪の流れを鎮て整える御役目を担ってきました」

「世界中に私らと同じ御役目を担っている人たちがいる。協力して事に当たることもある。だから条約にも明記される。なんていったってこの世の秩序を維持することだからな。おかげで窮屈すぎ」

「清伽」

祓椰が清伽をたしなめる。

「大呪についてはもういいよね。次は蛇餓魅について話す」

「大呪には千年周期で、その流れに淀みが生じます。淀みはやがて本流から弾かれます。それが蛇餓魅です」

「数十万年かけて今もなお増え続けている大呪から生まれたというのはこういう意味。わかるでしょう。ハンパな力では刺激して怒らせるだけ。より事態を悪くする」

「大呪から分かれた蛇餓魅は負の感情を求めて地上に、人間に接触します。人間を襲い、理不尽に殺して魂を貪り食う。蛇餓魅に食べられた魂は蛇餓魅の一部となり悪霊になります。蛇餓魅には無数の悪霊の集合体という側面があります」

「数百年前の蛇餓魅は私たちの祖先が封印した。連なる悪霊を祓って核の部分をね」

「もしかして、それが大蛇伝説の元ですか?」

私がたずねると、祓椰と清伽の二人はそろってうなずいた。

「封印って、祓えなかったんですか?」

巴が聞く。

「はい。蛇餓魅そのものは魂ではありません。ですから神様として祀り、鎮た後に清浄化されて、良き土地の神様になります」

「もしかして大蛇院と言われている神社がそうだったのでしょうか?」

「はい。峠の森の傍に神社があったはずです。そこがまさに蛇餓魅を封印していた場所です。ですが私たちも予想だにしないことが起こりました」

「蛇餓魅が非常に強い怨念に惹かれて、枝葉の一部が接触した。そのせいで進んでいた清浄化は止まり、徐々に活性化した。さらに土地開発で神社が本来あるべき場所から移された。封印は弱まり、逆に蛇餓魅は活性化したってわけ」

清伽はうんざりしたように言った。

「その非常に強い怨念というのは、もしかして数十年前に誘拐されて殺された女の人?」

「そいつの素性なんて知らないけどさ、人の知恵を持つ奴が蛇餓魅の力まで持ったんだから、ある意味では蛇餓魅よりタチが悪いよ」

清伽は短くため息をついてから続けた。

「蛇餓魅に連なる悪霊は際限なく仲間を求める。どれだけ人を殺しても飽き足らない。まるで飢えた蛇のように際限なく飲みこもうとする」

「なぜ?なぜ蛇餓魅の一部となった悪霊は仲間を求めるのですか?」

「まず蛇餓魅自体が負の感情を求めます。そして蛇餓魅と一緒になった霊もまた生に惹かれるからです。理不尽に、不本意に死んだ魂は生に憧れ、やがてその憧れは妬みに変わります。また、生きている人も死に惹かれます。そういう人にも悪霊は惹かれてきます」

巴の方をチラッと見た。

しかし死に惹かれていながら巴はなぜか呪われない。

美奈子は血縁者だから見逃しているのか?

それでも他の連なる悪霊まで巴に関わらないのは何故だろう?

諏訪式姉妹の話を聞いていて私は疑問を抱いた。

「ちょっと質問していいですか?」

「どうぞ」

「非常に強い怨念の持ち主とは村田美奈子という人の霊です。ですが、その人の霊は自分のいる場所に黙って入ってくる者以外は殺さなくなりました。仰るように仲間を求めて際限なく殺すということはしていなかったのですが」

「でも先生、一年前の自殺した女子高生は『蛇餓魅と一緒になった人』に会ったと日記に書いてたよ。それで森に行って自殺したのだから、前から仲間は作ってたんじゃないの?」

祖母の話では家に住む人に対しては、今回のような恐ろしい事は起きなかった。

一年前という時期。その頃にあったことといえば私たちが遊んでいた神社公園が取り壊されて更地になった。

私がそのことを言うと、諏訪式祓椰が「安全装置が効いていたということです。そのおかげでまだ分別があり、人のころの情も残っていた。しかし同じころに蛇餓魅を鎮める神社と、その者を鎮める神社がその場からなくなってしまった。抑えられていたものが噴き出すように、凶悪になっていったのでしょう」

「私が最近まで呪われなかったり、この子が呪われないのはまだ人としての情が残っていたからですか?」

「私たちが霊視したところ、あの霊とあなたのお婆さんは生前の知己でした。あの者の禁忌を犯していないあなたを一度は見逃したのでしょう」

だとしたら祖母を殺したのは私だ。

綾香を探しに行ったとき、あのときに私は美奈子の禁忌を犯してしまった。

だから彼女は今朝、私の所へ来て祖母を無残に殺し、私も殺そうとした。

感情に駆られて家へ行ったばかりに。

悔やんでも悔やみきれない。

「私が無事なのは……?」

「あんたが器だから」

「うつわ?器ってどういう意味?」

「あの者はあなたの血縁者です。そして現世に人の体をもって転生しようとしています。血縁者の方が魂の馴染みが良いことと、二人の魂の質が似ているということもあり得るでしょう」

祓椰が巴に向かって言う。

それを聞いた巴は眉ひとつ動かさなかった。

巴が他の霊にも一切呪われずに殺されなかったのは、そういうわけだったのか。

血縁者という理由だけではなかった。

もっと恐ろしく悍ましいことを考えていたのだ。

「驚きませんね」

「いや……なんていうか、生まれ変わるとか話がわけわかんなすぎてピンと来ないっていうか」

「そうですね。こんなことを話してもなかなか合点はできないでしょう。ですが蛇餓魅と同一体になった者が人の体を得て転生するなど成し遂げさせてはなりません。それは蛇餓魅が人の体を得て現世に現れるということ。どのような禍が起きるのか予想もつきません」

「奴らはどんなことをしてもあんたを殺し、あんたの魂を同化しようとする」

清伽が私と巴を見ながら言った。

「蛇餓魅は急速に力をつけています。負の感情は蛇餓魅の栄養になりますから。成長には事欠きません。今の世は負の感情に溢れていますからね」

「本当ならもう少し後に祓いたかったんだけどね。犠牲が出すぎているからすぐにとりかからないと」

「なぜ後がよかったのですか?」

「恥ずかしい話ですが、別の仕事で、私も清伽も深手を負いました。我が身の未熟です」

「そんな…… 」

こうして見ている限りでは諏訪式姉妹が大怪我をしているようには見えない。

「今までの凶事をご覧になっていれば、いかに悪質かおわかりでしょう。蛇餓魅は一度目をつけた相手は強い執着を持って、必ずものにします」

「そういうわけだから今回は封印せずに蛇餓魅を直接黄泉へ送る。あそこまで凶悪になるともうダメだ」

「黄泉?」

「所謂、異界です。私たちは黄泉の国と呼んでいますが、宗派により呼び方は様々です。分かりやすく言えば死者の魂が行く世界です」

「姉上様が黄泉戸を開いて、私が場を清める。そして祓いの風で悪霊共々黄泉送りにする」

「でも、その…… 本調子じゃないんでしょう?命とかには関わらないの?」

「私らの使命だから」

「それに最悪の事態を想定して、ある方に依頼をしています。その方なら絶対に大丈夫です」

「どなたですか?失礼だが、あなた方が祓えなかい相手を除霊できる人がいるとは思えませんが……」

伊佐山君の叔父さんが祓椰に聞く。

「その方の素性を今この場で私たちの口からお伝えすることはできません。それはあの方のルールに反するからです」

「でも大丈夫。姉上様も私も、あの方には全幅の信頼を寄せているから」

どうやら、その切り札と目される人物は諏訪式姉妹から絶大な信頼を得ているようだ。

「では取り掛かりましょう」

「一気に片を付けるよ」

二人は居住まいを正して大きな瞳を私たちに向けた。

私たちは本堂に通された。

差し込む陽光が磨き上げられた床を照らす。

その中央に注連縄が置かれていた。

叔父さんの弟子が襖を開くと縁側の向こうには、白砂が敷き詰められた広い和風の庭が広がっていて、苔むした石灯篭が静かに佇み、緑濃い竹林が風になびいていた。

「なんだか映画に出てくるみたいなお庭」

巴が写真を撮る。

広い庭では二つの祭壇を組んでいる最中だった。

「こうしたものは材料もきちんとしたものを使わなければなりません。そうした手配も含めて間に合って良かったです」

組み上げられる祭壇を見ながら祓椰が言う。

「祭壇が二つなのは?」

「私たちも及ばずながら合力しようかと」

私の問いに叔父さんが答えた。

「こういうときは手数が多い方が良いです。助かります」

祓椰が頭を下げると、清伽も深く頭を下げた。

「こうなると僕の出る幕はない。別室で待機しているよ」

「可能な限り危険の及ばない場所へ行ってください。一度始まると私たちもそこまで及びませんから」

そう言うと祓椰は伊佐山君にお札を渡した。

「ほとんどはこっちに集中するから大丈夫だとは思うけど、まあそのへんをうろちょろしているような奴なら問題なく弾けるから」

こうして話している間にも、和装の人たちが祭壇を組み上げていく。

「あんたらは儀式が始まる前にそこの結界に入って。タイミングは私らが教えるから」

清伽が本堂真中にある注連縄を指す。

「よく、本当に怖いのは人間なんて聞くけど、本当に怖いのは霊。異界の者ですよ」

組み上げられていく祭壇を見ながら祓椰が言った。

相変わらず表情は一切変わらない。

「見えないでしょう?だからピンとこない。でも見えたら?目の前の相手が自分たちとは全く違う行動規範で接触してくる。一方的にね。あなたたちも十分わかってるんじゃない?」

傍らに用意されていた木箱から取り出した丸い鏡を手に取り、清伽が言う。

「先にも言ったように、蛇餓魅は無数の霊を取り込み、使役します。あなたたちの見知った人が呼びかけてくることでしょう。十中十、そういう姑息な真似をしてきます。ですが、決して哀れんでも親しんでもいけません。耳を傾けないように。心が引かれれば、あなたがた自身の結界は弱まります」

「自身の結界?結界はこの注連縄じゃないのですか?」

「あなたがたは結界を自分の意思で自由に出入りできます。蛇餓魅にとって一番楽なのは、あなたがた自ら結界から出てもらうことです。ですから心を強く持ち、幾重にも心の中に柵を作ってください。誘いを跳ね除けてください」

「あたしらがいくら祓おうとしても、あなたたちが自発的に向こうに協力したら守りきれたもんじゃないから」

「清伽の言う通りです。あなた方が助かるのはあなた方に依るところが大きいのです」

「人は死んだら異界の住人になる。いくら現世に残りさまよっていても生前の人格とは別物。あいつらの言うことは雑言の類。耳を貸す価値なんてないと思って」

私と巴は互いに顔を見合わせると強くうなずいた。


庭の中央に諏訪式姉妹が儀式で使う祭壇が組みあがった。

まるでその場が神聖な空間になったかのように感じてしまう、清浄で厳かな祭壇。

中央には、神霊を迎え入れる依代となる神鏡が鎮座し、その周囲には、祓いの神事において欠かせない、白い布で清められた榊や、神前に供える供物、そして、お祓いの際に用いる御幣などが丁寧に配置されている。

祭壇全体は、純白の祭壇布で覆われ、その上に、神々への畏敬の念と、清浄な祈りを込めた、神饌が整然と並べられている。


叔父さんの使うであろう護摩焚きの祭壇もある。

中心には護摩木を燃やすための炉が据えられ、その周囲には曼荼羅や仏像、供物などが丁寧に配置されている。

炉の前に叔父さんが。弟子の人たち五人が祭壇の下に並んで座る。

炉に火が入れられ、炎が立ち上がった。

全ての準備が整ったようだった。


「では結界に入ってください」

私たちが入ると二人は注連縄に手を添えて、小声でなにか唱えた。

「これで蛇餓魅からあなた方のことは見えません。もちろん連なる悪霊共にも」

「マーキングした獲物が見えなくなって、奴らはムキになって探すけど、絶対に奴らの言葉に答えないように。どんどん頭にきて怒るけど無視して」

「怒り心頭。怒髪天を衝く。というやつですね。実にいい気味です」

祓椰が眉一つ動かさずに言った。

蛇餓魅が怒るのはわかるが、それをこのような物言いをする祓椰の意図がわからず、私も巴もきょとんとしてしまった。

「こ、コホン。とにかくこの中から出てはダメ。奴らの言葉に答えてはダメ」

私たちの表情を見て清伽が咳払いをしながら言う。

「改めて言っておきます。これから信じ難い経験をします。見えるもの、聞こえるもの、全てが非現実的に感じるかもしれませんが、紛うことなき現実です。判断を謝れば、即死ぬと思ってください」

「姉上。そろそろ時間。目眩しの効果が切れる頃だ」

「そうね。掛かりましょうか」

二人は本堂から縁側の階段で庭へ降りていく。

庭へ降りると、二人が振り向いた。

「ここからは『闘い』です」

終始無表情だった祓椰が、この時はじめて不敵な笑みを見せた。




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