ラピスラズリは空を見上げた。太陽はもう長い間姿を見せていない。この世界は夜の世界だ。
誰か、と呼ぶ。
助けてくださいと祈る。
でも、彼女の声は届かない。
滅びが彼女の世界には迫っていた。
☆
「はー。やっと出来た!」
彼の職業はジュエルデザイナー。なかなかにその人気は高い。
部屋にこもりきりだった彼は気分転換に夜の散歩へと出掛けることにした。
ーー……誰か……助けて……
か細い女の声がし、彼は周りを見渡す。
が、人の姿は見当たらない。
ーー……誰か……誰か……私の声を、聞いて……?
夜空が呼んでいる。
そろそろと彼は空に手を伸ばす。
その手を誰かが掴んだ。
ーー……見つけた……私の声が、聞こえる人……
そこには夜空色の髪をした美少女がいた。