翌日。
今日は学校は休みなので、修二さんに渡された紙に書いてある住所に行くことにした。
住所を携帯で検索したら皇居が出てきた。本当にそんな所、普通の高校生が入れるのか?
取り敢えず向かわなければ、何も起きないので家から電車で東京駅に向かう。
電車では何を考えても落ち着かない。結局自分はどうなってしまうのだろうか?
考えてもしょうがない事ばかり考えてしまう。
彦齋さんにはまた会えるのだろうか?
刀は国が管理すると言った以上、これからどうなるのだろうか。
刀だけじゃない、知るとは言っても何を知るのだろうか?
そんな不安な事ばかり考えてしまう。でも、そのおかげで直ぐに東京駅に着いた。
東京駅は人で溢れていた、土曜日とは言えこれから仕事に行く人もいるのだろう。それにここは東京都の中心だ、ビル街でもあるし人が多いのも分かるがそれにしても人が多い上に広い、これでは迷ってしまうが皇居までは地図を見れば直ぐに着いた。
「此処で合っているんだよな?」
住所は確かに此処だ、家で検索した時に本当に大丈夫なのかとも思ったが、此処に来ると余計に心配になる。
何処に行けばいいのか分からずに、周りをとぼとぼと歩く。
そしたら、全身スーツの若い男の人が話しかけてきた。
「神崎様ですね」
「え?」
「失礼、私は神崎様をお連れする為に呼ばれました。では私に着いて来てください」
そうして、スーツの男について行く。
「あの?」
「はい?」
「僕はこれから何処に行くんですか?」
「それは私にも分かりません」
まじか、この人について行って大丈夫なのか?
まあ、この人についていくしかないのだが。
だがついて行って歩いていくと、段々と皇居に近づいてきた。
「では、中に入りましょうか」
「え?」
スーツの男の人は堂々と皇居に入って行った。
「失礼します、手荷物検査をさせてください」
「分かりました」
中にはまた違う警備員みたいな人がいて、定期的にこの手荷物検査を受けた。
やはり警備は厳重だ、それもそうか此処は皇居なのだ、当たり前だ。
「では、此処からはお一人で行ってください」
「一人で?」
「はい、私は此処までです」
一人で行くには不安だった。
「あの?此処からどうやって?」
「この先を真っ直ぐ行けば大丈夫ですよ」
「分かりました」
言われたまま真っ直ぐ進むと、扉があった。
「このまま進んでいいのかな?」
そう悩んだが言われた通りに進むことにした、扉を開けると重い扉に力一杯、引っ張ると中には地下に続く階段があった。そのまま進むと和風に装飾された通りになっていて一服変わった感じで違和感があった。皇居の中にこんな場所があったなんて思いもしなかった。
そのまま進むとまた扉があってそこを開けると広い部屋があった。
中にはまた和風な作りになっていてソファーがあったりキッチンがあったりテレビがあったりと人が住むには快適な場所だった。
「おう、神崎君」
「え?先生?」
ソファーには日本史の先生が座っていた。