翌日、学校に呼び出された。
休日なのになんで学校に行かなければ行けないなんて、最悪だ。
電車に乗って学校へ向かう。今日は担任の先生、神谷先生から電話があったが何やら怒っていた様子だったので、何かやらかしたんじゃないかと焦ってしまった。
学校に到着して教員室で名前を言って神谷先生を呼び出すと、神谷先生は自分の席から飛んで来た。
「神崎君!!やっと来たなね」
「なんで呼ばれたんですか?」
「それは知らないわ」
「え?」
「どうやら校長先生がお客さんを連れて、校長室で待っているから行って来な」
「分かりました」
校長室に行って二回ノックすると、どうぞって言われてので中に入った。
「修二さんと坂本さん!!」
そこには見知った顔が二人いた。
「やあ、神崎君」
「遅いぞ!!」
「なんでお二人が?」
「取り敢えず座れ」
言われた通りに修二さんの隣に座った。
「それで、校長先生。先ほど話した事ですが承諾して頂いただけますか?」
校長先生と何を二人が話したのかは分からないが、校長先生は凄く悩んで話を続ける。
「校長としては生徒に危険があると分かって、素直にはいどうぞ。とはいけませんよ」
どうやら皇護について話していたようだった。
まあそれを分かれば大体想像はつく。それに両者の言い分も分かる。
皇護の方は新維新志士を相手にするには、こんな素人でもいないよりはましなのだろう。
取り敢えずは数は多いほうがいいのだろう。校長先生としては先ほど、言った通り自分の生徒が危険に合うと分かっていて戦闘の許可なんて出せる訳はない。坂本さんは僕のことを最年少と言っていたのでこう言う話し合いも、警察である修二さんを介して話し合いをしたかったのだろう。
「そうですね、この話に危険性が無いとは言えない、だが我々は神崎君の力が必要なんです」
「しかし、それを許可した場合の責任はどうなるですか?」
「責任は我々が取ります」
「簡単に言いますが、あなた達は表立っては行動できないのでしょう?」
「そうですが、神崎君にもしもの事があれば我々の存在を公表した上で新維新志士を片付けた時に解体されるでしょう」
「そうですか、では神崎君が貴方達の悲劇の犠牲にならないと約束していただけますか?」
「分かりました」
「神崎君」
「はい?」
「君自身はどうなんだ?」
「僕は、悲劇の犠牲になんてなるつもりはありません。もっと力をつけて誰かの助けになりたいんです」
「そうですか、ではあなた方に神崎君を一任します」
「ありがとうございます」
「でも、テストや行事などはきちんと出席してくださいね。それが約束です」
「分かりました」
「では、行こうか」
「行くって何処に?」
「それは移動してから説明するよ、校長先生ありがとうございます。では」
「神崎君」
「はい?」
「教師には私から説明します。それからたまには校長室に遊びに来なさい」
「分かりました、では」
そのまま校長室を出て学校を後にした。
止まっていた修二さんが運転する車に乗って、車は発進した。
「おい、折角仕事中断してきたんだ、この貸しはでかいぞ龍馬」
「龍馬?」
「ああ、そうか神崎君は知らなかったんだね。我々、皇護は偉人から力を貸して貰っている人物の名前で呼び合うんだ。だからこれから僕の事は龍馬って呼んでかまわないよ」
「龍馬さんですか」
「そうだね、でも人がいる所では本名で呼んでね」
「分かりました。それで僕以外のレガシーホルダーはいるんですか?」
「これから会えるよ」
「これから何処に行くんですか?」
「皇居だよ」
「皇居だと昨日行った場所ですか」
「そうだね、そこで詳しく話すけど今起きているとある事件に関してだね」
「とある、事件?」
「村正事件だよ」